18-19歳の新たな有権者を含め、投票率を上げることを目的とした運動やキャンペーンに対する批判は、いくつか散見される。

 

しかし、「投票率が上ること」の本質的な効果を論じる批評は、意外に少ない気がする。果たして「投票率が上がる」ということは、選挙結果ひいては国政にどのような効果を与えるのか?

 

国や大学、高校などあらゆるところで新たな有権者の投票を促すキャンペーンをしているが、これらは投票に行くことのみを推進する効果はあっても、どこに投票するかを判断させる動機にはならない。当然、投票先を決めるのは新有権者本人であり、彼ら自信が選挙について学び、あるいは各政党の政策を吟味することによって判断するべきことだ。そしてその有権者にアピールし、投票先を誘導するのは国でもNPO法人でもなく、各政党に他ならない。

 

ただ、果たして各政党(特に野党)は、自身を投票先として選ばせる戦略・戦術をとっているのだろうか?

票を集める戦略とはとどのつまり政策に他ならず、戦術とはその政策を如何にして有権者に伝えるかの手段に他ならない。しかしどの政党も、新有権者の投票行動を促すことに固執しすぎてはいないだろうか。

すなわち、新有権者の票を取り込む、魅力的な「政策」が一切伝わってこない。

効果的であると考えられるのは、就職率の改善や大学環境の整備といった、新有権者の利害に直結する政策であるはずだが、野党は改憲反対、脱原発といったおよそ若者の生活に対して非現実的で抽象的な、かつイデオロギー的な主張ばかりを推している気がする。これで集まるのは、おそらくよほど熱心な左翼運動家の家庭に育った者か、デモや運動を若者のノリで好む者の票くらいだろう。そしてそのような票は、新有権者240万の票のうち、1%にも満たないと推測する。なぜなら新有権者の大半はそのようなイデオロギーの本質を理解しているほど社会にコミットしていないし、あえてそれらに投票するほど選挙を軽率に考えてはいないはずである(特に投票に行くような新有権者)。