かなり面白かったですよ。昔のゴジラ世代でもないし、怪獣好きでもないけど、面白かった。
※以下、若干のネタバレ含む。

 

まず、劇場版パトレイバー的な政治、国家官僚群像で描かれているとは思わなかった。

よくあるけだるい人間ドラマ(愛だの恋だの友情だの)を極限まで削ってテンポアップを図っているため、飽きさせない。腹のすく思いで、久しぶりに日本産エンターテイメントを見た気がした。
今の官僚機構で、ゴジラという災害に対して日本はどう闘うか?みたいな。現代の架空戦記ものと言うべきか。

 

特に好きだったのは、稲村ヶ崎に再上陸したゴジラが、再び都心に向かって来た時にどこかの大臣が吐いたセリフ「なぜこっちに来るんだ!?」
「こっち(東京)」って最高ですよね。きっとこの感覚は、実在している。東京=こっち、地方=あっち。地方分権改革の大義名分は、国と地方の対等関係にあったわけだけれども、それは即ち責任の分散と押し付けを意味するわけだ。その意味で実は東京も一地方であるわけだが、そこは大日本の首都、その辺の地方自治体と一緒にしてもらっては困るという寸法だ。

都知事選に国家政党がずぶずぶに関与し、「一地方」にすぎない東京都知事を選出する選挙の報道を連日これでもかと繰り返してきたマスメディアの意識も、ここに集約されている。要するに、人々の意識レベルにおいて中央集権体制は微塵も揺らいでいないのである。それはゴジラが東京に出現したことで、否が応でも表面化する。

 

東京と地方と国ってこういうことです。「なぜこっちに…」割とこのセリフにこの映画のエッセンスがすべて詰まっている気がしています。

 

あと「無人在来線爆弾、全弾投入!ドカーン!」吹き出しそうになったよ、映画館で。これ考えた人、天才ですよ。昔ジャンプの読み切りであった格闘職人アウディの「爆裂中央特快」とか「山手線クラッシュ」に影響受けてると思うのは、僕だけですか?ゴジラよ、これが東京の戦闘力だ!みたいな。

 

そして、すごいのはゴジラを全く「合法的」に倒して(凍結して)しまったこと。政治家と官僚は、おそらく違法な措置、超法規的な措置を何一つとっていない。合法なんです。法治国家日本対ゴジラ。そんな見方もできます。