うつ病相談専門カウンセラー 川田泰輔のブログ -38ページ目

うつ病相談専門カウンセラー 川田泰輔のブログ

家族がうつ病になったら、あなたは誰に相談しますか?
うつ病,メンタルヘルス,患者への接し方などのノウハウをお伝えします。


私は、「ウツはうつる」と思っています。

理由は説明できないのですが、
そういうケースが非常に多いと思います。

私の妻は、
2002年8月から2004年2月まで
1年半の間に都合3回、
のべ10ヶ月間ほど入院していました。
(今は2週間に一度の通院だけ)

妻の入院中は、
2日に1回のペースで面会に行っていました。
入院期間の半分は閉鎖病棟、
あと半分が開放病棟でした。

閉鎖病棟は、うつ病というよりも
統合失調症の患者さんが多かったので、
うつ病患者の面会客は、
ほとんどいませんでした。

開放病棟では、
うつ病患者の面会に来ている
家族の方をよく、見かけました。

しかし、
面会に来ているうつ病患者の家族の方は、
驚くほど元気がなく、
母親が患者で、
父親と小学校高学年の娘が面会に来ているのに
テーブルを挟んで無言で向かい合っていました。

この、無言ぶりがスゴイのです。
30分無言というのはザラで、
一度は、面会に来て、ず~っと無言で、
帰り際に、「じゃ、また来るわ」だけ!

完全に、ダンナさんも娘さんも
ウツがうつっているのでは?

ウチの家族は、面会に行っても、
子どもが宿題やってたり、
一緒にゲームしたり、げらげら笑ったりと、
楽しく過ごしてました。

でも、子ども達はママに会いたいんだけど、
眠いのも相当あったらしく、
特に下の息子は当時、
幼稚園の年少さんでしたので
せっかく面会に行ったのに、眠ってたりもしてました。

なぜ、ウチは、

「ウツがうつらなかった」のでしょうか。

それは、私が、絶対に頑張らなかったからです。

妻が1回目の入院で完治せず、
再入院となったとき、
私は「これは、覚悟を決めてかからねば!」と
思ったと同時に

「頑張ったら続かない。頑張ったら負けだ!」

と思いました。

それ以来、私は、
自分に対するハードルを下げまくってます。

妻がうつ病になってから4年が経過しましたが、
少しずつよくなっています。

妻が辛さや苦しさに耐えたことが一番の原因ですが、
夫である私が、常にストレスフリーで、リラックスして、
頑張らなかったことも大きな要素だと思います。

非常に難しいことなので、自分に宣言しましょう!

宣言する日付を入れて、
例えば今日だったら

「 7・25 絶対に頑張らない宣言 」

を、宣言しましょう。

絶対に頑張ってはいけません。

あなたがゆったりしていることが、
患者本人の「薬」になるのです。
余裕があれば優しくできるのです。
楽でいれば、受け止められるのです。

幸せになるために必要なのは
強さではなく、しなやかさです。


-
うつ病の治療は
薬物療法が中心となります。

なので、
お医者様の指示通りに
薬を服用することが大切です。

なので、
毎食後30分以内に、
忘れずにチキンと薬を飲みましょう!

と言ってキチンと飲めれば
苦労はないわけです。

ふつうは出来ません。

飲まない・飲めない理由は
だいたい3パターンです。

1 

まず、うつ病患者本人は食欲がないので、
毎食ごとの「リズム」がどうしても整わない。



1回に飲む薬の量が多すぎて
(30粒近くなる場合も)、
飲むこと自体が苦痛である。

3 

薬が「毒物」や「劇物」といったジャンルに
分類されるような 
非常に強いものである場合が多いため、
副作用を気にして 飲みたがらない。


今は、「飲み忘れ防止」に話題を絞りますが
上記の2や3もケアが必要です。

確認しますが、

もっともいけないことは、

→「薬を飲むのを忘れたこと」を責めることです。

長期的に、
薬の飲み忘れを防いで行くためには、
意識の転換が必要です。

(転換前の意識)
「薬を忘れずに飲むのは、本人の仕事」

(転換後の意識)
「本人が忘れずに薬を飲めるようにするのは、
家族の仕事」


「 意識の転換 」

は、すぐにはできません。

本人が薬を飲むのを忘れたら、
「何で忘れたの!!」とキツイ調子で責めてしまうし、

こちらの虫の居所によっては
「薬を忘れるおまえは、怠け者だ」のように
人格否定もしてしまいます。

なので、ハードルを下げ、
期待値を下げることが大切です。

「薬をキチンと飲める確率は
イチローの打率と同じぐらいだ」

と思っておけば、
3回に2回は失敗しても腹は立ちませんし、

逆に、3回連続成功すれば、
「最近絶好調だね!」という感じです。

出来ないことを要求するのは、
あなたも本人も不幸になりますよ!


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うつ病患者に

「頑張れ!」

と言ってはいけません。

このことは、かなり、認知されてきました。

同様に、
うつ病患者の家族にも
「頑張れ!」と言ってはいけません。

何故なら、うつ病患者家族は、
もうすでに限界まで頑張っているからです。

また、うつ病患者家族の方も、
強く自覚して下さい。

「頑張ったら負けだ!」と。

マラソンランナーが
2時間ちょっとで42キロを走れるのは、
「ゴールが決まっているから」です。

ゴールが決まっているから、
今の自分の状況と目標の記録を比較して、
ペースが決まるのです。

うつ病の回復過程は、非常に個性的です。

「全治」という表現も余り使われませんし、
「治る」まで何ヶ月かかるのか、
何年かかるのか、
これは、誰にも分かりません。

なので、うつ病患者と生活することは、
ある意味で

「ゴールがどこなのか分からないマラソン」

なのです。

だから、
一生継続できるペースでしか
走ってはいけないのです。

頑張ったら負け!

自分に言い聞かせて下さい。


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うつ病患者は、
エネルギーがありませんので、
何も出来ません。

特に本人が主婦で入院できない場合は、
家族から見れば
「 何もしないこと 」 が
とても目につく時があります。

また、どうせ何も出来ないからと、
全ての家事を家族が手早く済ませてしまうと
患者本人から見れば

「 この家に私の居場所はない 」

というふうになってしまいます。

そこで、「 目をつぶる 」

最悪の事態から考えれば、
家族にとっては

「生きている。ただ、それだけ。」

で、うれしいはずです。

しかし、
日々の生活はキレイゴトだけでは済まず、
患者本人への「要求水準」が上がっていきます。

・買い物は無理でも、料理はできるはず。
・簡単な掃除ぐらいは頑張ってもらわなくちゃ。

などと、ハードルが上がっていきます。

患者本人は、
無理をして要求に応えようとしますから
数日間は出来るのですが、
その後はパッタリ出来なくなります。

その時に、気を付けなければなりません。
出来ないことを責めてはいけません。
出来ること・出来たことを見つけてあげましょう!

「目をつぶる」

是非、活用してみて下さい。

何かが出来なくてもイイじゃないですか。

ダンナが仕事に行けなくても、
主婦が家事できなくても、
子供が学校いけなくても、
だから、なんだっていうんですか。

「命あっての物種」!


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うつ病患者の家族として、
覚悟が固まるまでは
どうしても、
病人のいない家庭と比較してしまうと思います。

それは、仕方がないことです。

一番いけないことは、
つい、他の家庭と比較してしまう自分自身を
許さないこと・責めてしまうことです。

繰り返しますが、
病人のいない家族と比較してしまうことは
仕方がないことです。

そこで、提案です。

【 自分の不幸の相対化、比べるなら下と! 】

倫理的な批判や、建前からの反論は、
無視します。

世の中には、
びっくりするぐらい不幸な人がいます。
しかも、非常にたくさん。
この日本にも、不幸な方々がいます。

今日食べるものがない人、
80歳が100歳を介護している家庭
お金がなくて子供を病院に連れて行けない親

これらの方々と比べてあなたは不幸ですか?
この考え方には批判が多いと思います。

「他人の不幸をネタに、自分を元気づけるようだ」
と感じることでしょう。

しかし、手段を選んでいる場合ではないのです。

あなたが元気でなければ
うつ病患者本人は自分のせいだと感じ
病状が悪化するかもしれません。

脳天気な例え話で恐縮ですが、
2週間ほど前、近所に雷が落ち、
パソコンのモニタがこわれ、
買い換えに2万円ほどかかりました。

自分に落ち度はなく、納得がいかない出費でした。
しかし、後日、友人の家で、
落雷の影響で30インチだか40インチだかの
プラズマテレビが全損したと聞き、
「可哀想にねー」などと言いつつ
胸の支えがすっと取れました。

友人には悪いのですが、
正直なところ
「私より悲惨な人がいる」と分かり
自分で不幸だと思っていたことが実は、そうでもない、
と感じることが出来ました。

私の人間性の卑しさを表すエピソードとも言えますが
雷のせいでPCのモニタが壊れ、
気落ちしていた私は
同じ雷でプラズマテレビが全損した人の話を聞き、

「自分の不幸を相対化できた」

ということだと思います。


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