フエは旧市街がいいと聞いていたが、どうやら僕は新市街に宿泊しているようだ。
きっと橋を渡り、川を越えたところに旧市街はあるのだろう。
「ベトナムの夕日は最高だよ」と何かで読んだことがあったが、それは本当だと思った。
夕日で空が赤紫色をしている。
僕は橋のそばにある何件か軒を連ねた飲食店で333を飲みながら「それにしてもベトナム人は気が強い」と思っていた。
軒を連ねた何件かある飲食店からしつこく「うちの店によりなよ」と手まで引っ張られる有様だった。
僕はその飲食店の中で一番混んでなく、自然な客引きをしていた飲食店で食事をすることにした。
一人の欧米人がその店で333を飲んでいた。
彼がおもむろに僕に英語で声を掛けてきた。
「ベトナムは好きかい?」
「ええ、とても好きですね」
「僕も大好きでね」と彼は答えた。
「昔は、この目の前にあるホテルに何度か宿泊していたんだけど、入国が厳しかったんだ。
滞在中も厳しくて毎日パスポートをチェックされたもんだよ。今はそんなこともないけどね」彼は本当にベトナムが好きなようだった。
「どこから来たんですか?」
「イタリアから・・・あなたは日本人?」
「ええ、分かりますか?」
「なんとなく・・・」
僕は333を飲みながら、もう一度夕焼けの空を見上げて「フエの夕日は最高だ」と思った。