
ここは鹿嶋サッカースタジアムでもなければ、国立競技場でもない。そう、ここはボールパーク。千葉マリンスタジアムだ。
勝利を祝うライトスタンドの熱狂的なファンによって、出された大段幕。
2005年8月28日日曜日。この日、復活をかけた1人の男とマリーンズがパシフィックリーグ・プレーオフ進出をかけた一戦がここマリンスタジアムで行われた。
新聞を読むと約200人の徹夜組と14時には約1000人がこの日のチケットを求め並んだという。
友人と僕は、いまだかつてマリーンズの試合でこんなに並んだのは初めてだった。17時、スタジアムに到着すると人であふれかえっていた。“着いてお気軽に当日チケットを買い、ビールや樽ハイを飲みながら試合観戦”それが僕らの定着したマリーンズの試合。しかしこの日はまったく違っていた。
やっと手に入れた内野自由席のチケットでスタジアムのシートに座ろうとすると、1塁側の席が空いていない。こんなはずでは無かった。ここは阪神甲子園球場ではないのだから・・・。
友人からTELが入ってきた。「uchi、新聞見たか!ロッテがプレーオフ進出までM1だ!先発は復活をかけた黒木だぜ!」巨人ファンの友人は今シーズン巨人戦をほとんど見ていないという。友人と途中の駅で待ち合わせ、バスに乗り換えマリンスタジアムに到着した。スタジアム内は、この異様な雰囲気である。
僕らは3塁側2階席に席を見つけ試合観戦をすることにした。
右肩腱板部分断裂そして、その後右ひじ関節内のこっきょく除去手術をうけたマリーンズの元エース、ジョニー黒木が452日ぶりに白星を上げるために復活をかけた日。大勢のファンが彼の入場とともに「く!ろ!き! く!ろ!き!」と地響きのような声援を送る。
それに答え、帽子をとり、深々と頭を下げるジョニー。
彼の投球は、見ているこちら側にも伝わってくるほど、気合いが入っていた。人が前向きに一生懸命何かをしている姿を見ると、こちらまでいい意味で触発される。
試合は彼の好投に答えるかのようにサブロー、李、里崎などのホームラン3本により4-0の勝利。ジョニーは6回2/3を無失点。「お前が居ねェと始まらねェよ」の応援ボードを掲げたファンに答える形となった。
この日、鳥肌が立つほどのいい試合を見れたことに僕は感激していた。