ホモセクシャルかい?と訊かれた日 ―THE BARGE INN story―  | A Daily Life Diary

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サッポロのジョッキをカウンターで飲んでいるとき、男の人がぼくの隣に座った。
席がそこしか空いていなかったのだ。

ぼくより幾らか年上か同じくらいだろうか、ポロシャツにパンツという装いだった。

彼はギネスのハーフパイントを店員に注文していた。

ぼくが注文したギネスではないのに泡が安定するまでのギネスに見とれてしまう。

泡の動きが独特なのだ。

これはキルケニーにも同じことが言える。

「あなたは一人ですか?」とぼくは思わず英語で声をかけていた。
彼はムッとした表情で口を開かなかった。

周りのお客は友人たちと飲みに来ているのだろう。
それぞれに会話を楽しみビールやカクテルを飲んでいる。

それらの人をしばらく眺めていると、さっき声をかけた男の人が「ちょっといいかい。君はホモセクシャルかい?」といきなり訊いてきたのだ。

「まさか!違いますよ。女性は好きだけど、そういう趣味はありません。ただあなたと話がしたかっただけです」ときっぱりと答えると「男が男に“あなたは一人ですか?”と声をかけるのは“僕はホモセクシャルだけど、一緒に遊びませんか?”という誘い文句なんだよ」

そんなこととは知らないぼくは、「どうりで」と納得していた。
そういえば以前にも同じことがあり、その人はさっと席を離れてしまった。

「それじゃ、初めて会う人にまずなんて声をかければいいんです?」彼は一瞬、考えて「そうだな、どこから来たんですか?と訊くのがベターじゃないか」と答えた。「じゃ、あなたはどこから来たんですか?」「UKから」

彼は日本では剣道を習い、これから台湾に行って拳法を習いたいと話してくれた。武道とそのスピリットが好きなようだった。しばらく話したあと、ぼくは家路へと帰っていった。