エピソード12  トドメ ブラック企業P社との取引1 | 打倒!ブラック企業!!

打倒!ブラック企業!!

勤めているブラック企業への・・・

仕返しだ!!
倍返ししてやる!!!

と、いうわけではなく

直属の上司に

スズメの涙ほどの
抵抗をしていくお話です。









2011年、季節は夏になっていた。











わたしはこの日まさにトドメを刺されたのだ。












その日、わたしの会社は、日本を代表するマンモス企業






P社との取引を開始することになった。








ガッチリと握手するウチの営業担当者とP社の管理職Q氏









ウチの会社としても、リーマンショック後






まともな新規契約が無かった為






今回の大口契約は、まさに喉から手が出る





それほどに欲しかった待望の契約であったのだ。










しかし









その実態は、そんなに甘いものでは無かった









このマンモス企業P社、ウチからは







新幹線、地方線を乗継ぎ、4,5時間かかる場所にある。










なぜワザワザこんな遠くの企業と大口契約をしたのか。








その理由は、契約を交わしたその日に思い知ることになる。
















さかのぼること2010年の秋、P社からの






見積もり依頼が舞い込み始める。









わたし達は、通常見積りの納期として






2週間の期間を頂いている。








仮に急ぎの見積りだったとしても、1週間





頂くよう、営業担当者には伝えている。








1製品の見積りとしても、設備としては






大体5設備程度は必要になる。









1製品を作る為に、まずは2種類ほどに分けて





金属部品の集合体を作る設備を。





そしてそれぞれ2種類、各集合体を





個別に分割する設備を作る。






最後に、各金属部品を組み込み





樹脂(プラスチック)を流し込んで固める





特に高い精度を要求される設備を作る。





ここまでで5つ





モノによっては、更にこの後、不要部を





カットする場合もある。この場合6つだ。








この5つの設備を、たったわたし一人





見積りをとることになる。








金属の集合体をどのように配置するのか?





加工工程の方法は? 数は?





集合体のサイズは?





それを作る設備のサイズは?





材質は? 加工処理の種類は?




精度は?








それぞれ、送られてくる製品の形、精度に合わせて





柔軟な発想を盛り込みつつ、詰めていく。








仕事が無く、手が完全に空いていたとしても






丸々3~4日はかかる。








しかし現実は手持ちの仕事で精いっぱい。





いやむしろ仕事が回りきっていない。









よって、片手間で、空き時間を無理やり作って






少しずつ見積もりを進めていく。





2週間、急ぎで1週間。妥当な期間だ。











しかし、P社は甘くなかった。





最初は2週間もらえた。





だが、それは一瞬であった。





3回目くらいからだったろうか





1週間に短縮され





気付いた時には





「3日で頼む!」





なんだこれは?






営業も簡単に請け負ってしまうのだ。






大口の新規取引先だ。






喉から手が出るほど契約が欲しい。





まぁその気持ちは分かる。





会社もいつ傾くか分からない。







だが、見積もりはわたし一人しか人員がいない。






限界がある。








更に、見積もり提出には、最後の砦





L氏の承諾が必要だ。







L氏に文句を言わせないだけの






完璧な資料が必要だった。










見積り依頼が来る度、頭を抱える。







夜を徹して見積もりを作成する。






L氏の無理難題を切り抜け





滑り込むように提出する。









このやりとりが半年以上続くことになる。








体調不良は更に急激に悪化していくのであった。







頭痛はまさに激痛に吐き気も伴うようになる。





目の前は歪んで見える。





真っ直ぐに歩くことも出来ない。





そこら中にぶつかりながら、





意識がとびそうになりながら走り回る。















そして2011年の夏









正式に契約が結ばれることになった。








P社の管理職Q氏をウチに招き






打ち合わせが行われた。








我がH課からは、わたしと





R氏が出席した




わたしとL氏との間の中間管理職だ。






Q氏は言った。






「この製品を量産仕様






1ヶ月で完成させてくれ。」










!!!???











ざわつくウチの社員。







製品をつくるのに、量産仕様では






通常2、5ヶ月




特急で2ヶ月が限界だ。







1ヶ月など物理的に不可能な期間だ。







しかし、ウチの営業担当者は







「是非、ウチでやらせて下さい!!!」








真っ青になるわたしとR氏。









打ち合わせが終わり、Q氏の見送りをしながら







わたしとR氏は営業担当者に詰め寄る。






「いくらなんでも1ヶ月は不可能です。




 断らせて下さい。」





営業担当者がニヤける。






「あ?もう決まったことやぞ?




 このまま黙って仕事を進めるか・・・




 それともLさんに伝えようか??




 Lさんから直々に



プレッシャー



かけられたい???




 なぁ??



 どっちよ?????」








青ざめるわたしとR氏。







「・・・やります・・・。」






わたし達に選択権は無かった。




















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