勉強はできるが、仕事ができない…。

「今の子は勉強はできるが、仕事ができないんです」ある人事担当者が呟きました。

家庭の中で甘やかされて育った子は、大人になるにつれて生きづらい人生を歩くことになります。

 

家族の中で…

・親に責任を取ってもらい好きなことだけしてきた。

・自分の行きたいところに連れて行ってくれた。

・食べたいものや欲しいものを買ってもらってきた。

・悲しい顔をしたり、わがままを言えば叶えてくれた。

・自分の身の回りの世話も親がしてくれた。

以上のような生活習慣の中で、育ってくれば、他人とうまくいかなくて同然です。

 

他人は、自分中心に動いてはくれないし、自分の為に責任は取ってくれません。

そもそも、子どもの頃から「子ども中心」の家庭で育った子は…

・他人に対してしてもらって当然になり

・責任を取るのが面倒臭くなり

・楽な方に逃げようとします。

 

ですから、思春期になるにつれて家庭の人間から離れて、友達や先生、バイトや恋愛、職場などの他人との人間関係の中に入っていくにつれて「自分の思い通りにならない生きづらさ」を感じるようになります。

親が金を払い、塾に行かされて高校に進学しても、勉強が好きではないという子がいます。

 

自ら学校に行きたいワケではなく…

・親がうるさいから学校に行く。

・友達に会いたいから学校に行く。

・就職したくないから学校に行く。

という無目的でとりあえず、学校に行く子が多いのです。

 

学校に長く在籍していた分、勉強は多少できるのかもしれません。

しかし、社会に出て就職をしてうまくいかなくなるのです。

そもそも、金を払って学びに行くことにやる気がないのに、金をもらって働くことが上手くいかなくなるのは当たり前です。

 

このような環境で育った子が大人になり、就職をして「勉強はできるが、仕事ができない」と言われてしまうのも無理はありません。間違った育児の大きな代償を払う事になります。

 

 

  面倒くさがり、責任をとれず、楽を求める子どもたち…

甘やかされて育った子は、自分の責任が取れません。

大変なことや面倒くさいことが起こったり、仕事や人間関係でつまづくと直ぐに言い訳をして逃げてしまいます。

 

コールデンウィーク明けに、退職代行業者が大忙しになるのだそうです。

自分が入りたい会社に面接に行き、やはり自分の思う通りに行かないと「退職代行業者」に3万~5万円のお金を払い、退職の申し出や手続きの代行をしてもらうのだそうです。

 

もちろん、会社に挨拶や引継ぎにもいきません。

自分の権利だけを主張して、責任は誰かに取ってもらうのです。

 

まるで、子どものようです。

私たちの幼児園規則で「自分のことは自分でやります」「仲間を大切にします」と子どもたちは毎日復唱しています。

幼児園心得で「時を守り、場を清め、礼を正す」と大きな声で斉唱します。

 

幼稚園児でも、できることが大人になってもできないとはどういう事でしょうか。

子育ての間違いは、子どもの人生を大きく変えてしまいます。

 

「わが子が可愛い」という気持ちはわかります。しかし、親がなんでもやってあげて、責任を取ってあげて、好きなことだけをさせるような生活をさせていれば、子どもは社会に出てうまくいかなくなります。

 

私たちの幼児園が「自立」を重んじるのは、自分のことは自分で世話をすることができるようになると「自信」のある子になるからです。なぜに、現代の子ども達は自信がないのでしょうか?無気力や不安を持つ子が多いのでしょうか?

生まれた時はそうではありません。みんな、生きようと積極的です。失敗しても何度でもやろうとします。

 

生まれてからの母子関係や家庭での人間関係などの環境が、どれほど子どもの性格や人生に影響を与えるのか?

育児ほど難しい仕事はありません。

私たち、親や大人こそが学び成長する必要があると思います。

 

又、会社の上司や社長は、親の子育ての失敗を再教育する「教育者」になる必要があるとつくづく感じます。