愛着障害だから何? 

皆さんは「愛着障害」という言葉を聞いたことがありますか?

あるSNSの記事で「本当は「発達障害」ではなくて「愛着障害」かもしれませんね」という専門家からのコメントがありました。発達障害の後の次なる愛着障害か?と思うほどブームになっています。

 

因みに、今はやりのAIによりますと…

「愛着障害とは、乳幼児期に養育者との愛着形成がうまくいかず、子供の情緒や対人関係に問題が生じる状態を指します。主な原因は虐待や離別などで、結果として、過度に人を恐れたり、誰にでも馴れ馴れしく接したりするなどの症状が見られることがあります」と答えてくれました。

 

私は、この原因に大切なことが抜けているなぁと感じます。

原因は、虐待や離別などとありますが、あと一つ加えたいと思います。

それは「甘やかし」です。

 

ここで言う甘やかしとは…

①甘やかしすぎ(Overindulgence)

②過許可(Overpermissiveness)

③過支配(Overdomineering)

④過保護(Overprotection)です。

※家族カウンセリングの技法/グランウォルド・マッカービー著 坂本洲子・江口真理子訳/一光社

 

虐待がダメだという事は誰でも分かります。

精神的・身体的・性的・ネグレクトなどは、子どもの心を傷つけて、発達途上の子どもの精神に悪影響を与えます。

 

同じように、上記の4つの甘やかしもまた子どもの自信やコミュニケーション能力を奪い、悪影響を与えるのです。

愛情飢餓も問題ですが、愛情過多も問題なのです。

どちらも「根腐れ」を起こす可能性があると感じています。

 

アドラー先生はこういいます。

「赤ちゃんとお母さんのつながりはとても密接で、とても広範な影響を及ぼすのでね赤ちゃんが後年、どんな特徴を持つようになっても、私は、その特徴を遺伝で受け継いだものとみなすことはできません。遺伝で受け継いだように見える特徴は、お母さんによって植えつけられたり、鍛えられたり、教えられたり、何度も作り直されたりしたものです

子育てで大切なこと/アルフレッド・アドラー/坂東智子訳/興陽館

 

 

私は、発達障害や愛着障害という原因よりも、その子が持っている問題や課題をどう克服するか?に関心があります。

「発達障害・愛着障害だから何?」と感じます。その子の持って生まれたものを探し、可能性を引き出して、社会に役立つ人間に育てるところに教育の意味があるのだと思います。

 

「分析や診断」よりも「治療や再教育」の方が大切だと思うのです。

 

クライエントは、そうなった原因を知りたいのではなく、今の症状を楽にしたり、問題を解決したくて相談に来ます。

原因分析は、問題の解説になっても解決にはならないのです。

 

 

日本は「甘やかし」が90%以上! 

日本は、「甘やかし育児」が90%以上だとあるカウンセラーが言っていました。

私も、幼児教育に携わり40年が経ちますが本当にそうだと思います。

 

子どもの言いなりになったり、 子どもがすべきことを親が代わりに責任を取ってあげると子ども、相手の立場に立たないわがままな子になり、コミュニケーション能力が育たなくなります。

「うちの子は生まれつき○○だから…」と言う人がいますが、生まれつきではなくそのように育てられたのです。

 

私の尊敬するスズキメソード創始者鈴木鎮一の基本理念「どの子も育つ育て方ひとつ」です。

 

 スズキメソードの指導者とは、この基本理念のもと、才能は生まれつきではないという子供の「無限の可能性」を信じ「親、指導者、本人」の三者が力を合わせてその成長をサポートできる人です。 そして生徒の為に日々研鑽を積むことが出来る人です。

 

私は、この鈴木先生の理念に大いに賛同します。

 

甘やかしの反対は「自立」です。

自立とは、自分の責任を自分で取れることであり、責任が取れる子になると、自信が生まれます。

 

因みに、私の経営する園では年長者が年少者に協力し、自立を助けます。

下記の写真は、2歳のAくんが6歳のHくんの家に行ったときのものです。料理を教え、片づけを教えてくれる年長のHくん。

子ども達は、子ども同士の人間関係の中で学び、育ち、色々な能力を育てていきます。

一度、遊びに来てみませんか?