「インターナショナル」とつく幼児園なら話せるようになる?

今、一般の幼稚園や保育園が生き残りをかけてブームとなっている「インターナショナル」に乗り出しています。

今回は、「インターナショナル」という名称において、「気を付けなければならないこと」をお伝えします。

 

皆さんもご存じの通り、現在の日本は急速に国際化が進んでいます。

外国人雇用が増えて、インターネットの普及で世界が身近になってきています。

教育の世界も、中学から必修だった「英語」を2021年から小学校5年生に引き下げて「英語力」向上に力を入れています。

 

企業でも、TOIECや英検などのテストの成績で昇格や給与が決まるという流れになっています。

では「日本人の英語力」は世界的に見てどうなんでしょうか?

 

 

上記のデータは、国際語学教育機関「EFエデュケーション・ファースト」(本部・スイス)がこのほど発表した2023年調査結果です。

英語を母語としない113カ国・地域のうち、日本人の英語力は87位、アジア23カ国・地域では15位という結果でした。 

日本は5段階中4番目となる「低い能力レベル」(世界64~90位)と以前より低下している状態です。

 

では、幼児期から英語に触れさせれば「英語」に慣れて、好きになり、できるようになるのでしょうか?

私の答えはNO!です。

 

インターナショナル幼児園を22年経営していますが、「できるようになる子」「できるようにならない子」は、はっきりと分かれます。

その差は何なのでしょうか?

 

 

  「できるようになる子」と「できるようにならない子」の差とは?

その差は何でしょうか?

 

以下にできるようになる子とできるようにならない子の違いを書きたいと思います。

 

「できるようになる子」

1,本人にやる気がある。

2,家庭に英語に触れる環境がある。

3,幼稚園を卒園しても、英語に触れる環境がある。

 

「できるようにならない子」

1,本人にやる気がない。

2,家庭では全く英語に触れない。

3,幼稚園を卒園したら、英語環境がなくなる。

 

何の習い事でもそうですが、「石の上にも10年」「継続は力なり」「習うより慣れろ」です。

確かに「幼児期」は覚えるのも早いですが、忘れるのも早いのです。

幼児期に「英語の耳」を作るのも3,000時間以上を費やす必要があります。

 

インターナショナルと言いつつも、日本人の先生だらけだったり、外国人が1日1時間しかレッスンをしないという園もざらにあります。なんちゃってインターナショナルです。ちなみに、英語耳を作るのにも1日1~2時間しか英語のレッスンがなければ、最低で4~8年かかりますので話せるはずがありません。しかも、家庭での英語環境が0だったら、まず厳しいでしょう。

 

では、どうすればできるようになるのでしょうか?

 

 

  こうすればできるようになる!

子ども英語教育に38年関わってきて、こうすればできるようになる!という方法をお伝えします。

1,子どものやる気を引き出す親になる!

2,家庭での英語環境を作れる親になる!

以上の2点です。

 

1,子どものやる気を引き出す親になる!

 ①親が姿勢を見せる。

  子どもは好きな人のマネをします。

  親が英語を学ぶ姿や話そうとする姿を見ていると、英語を学ぼう話そうとマネをします。

 ②子どもの勇気を挫かない。

  「習っているのに話せない!英語やってるんだから何か言ってごらん!もっと自分から英語を勉強したら?」

  これらの考えや言葉は子どもの勇気を挫くので止めましょう。

 ③子どもを勇気づける。

  アドラー心理学を学ぶことを強くお勧めします。

  アドラー心理学は「子どものやる気」に関しては物凄い力を発揮します。

 ④夢を描く。

  将来の夢〈ハワイで買い物をする、好きな海外アーティストと話す、○○になりたい〉と夢を抱くよう導きましょう。

  憧れ強くなったり目標が明確になるほど意欲が湧いてきます。海外に連れてゆく、そのアーティストのコンサートに連れ

  て行くなど体験と感動は人を動かします。

 ⑤良い親子関係を作る。

  協力的親子関係の中からやる気や能力が花咲きます。競合的親子関係では、やる気がしぼんでしまいます。

  このより良い親子関係づくりにアドラー心理学は大きな影響を与えるでしょう。

 

 

2,家庭での英語環境を作れる親になる!

 ①英語に触れようにレイアウトを工夫する。

  子どもが習った英語の詩やフレーズ、興味がある英語記事などを目に付くところに貼っておくことをお勧めします。

  アメリカの元大統領ケネディーとその兄弟は小さい頃から、母親が「政治に興味を持ってほしい」と食卓をする時に壁に

  毎日「政治に関する新聞記事」を張り替えていたようです。

 ②常に英語が流れている。

  最近は英語とラップのかけ合わせたような曲「AdoのSHOW(唱)」や「Creepy NutsのBling-Bang-Bang-Born」など

  小さい子が口ずさむような曲もあるように、英語のBGMやラジオ、音楽やStory bookの英語が自然とかけ流されている

  環境づくりはポイントです。

 ③親が英語で話しかける。

  私はできない、話せない、発音が下手だからを言い訳にせず、英語でコミュニケーションをとるくらいの姿勢でトライし

  ましょう。

 ④インターナショナル幼児園や英語教室を選ぶ目を持つ。

  英語の専門家が作ったインターナショナルか?普通の幼稚園がフランチャイズ的にやっている幼児園かでは雲泥の差があ

  ります。そもそも、園を運営するオーナーや園長自身が「英語教育のど素人」では話になりません。空手のできない人

  が、空手道場を運営するピアノを弾けない人が、ピアノ教室を運営するのと同じです。

 ⑤継続する。  

  一時期だけでは、その環境から離れてしまえば忘れてしまいます。

  英語を習うのではなく、使ってみること。そして、それを継続して「体に使う事を染み込ませる」までやり続けることが

  大切です。

 

以上、何か参考になれば幸いです。