小1プロブレムを知ってますか?
「小1プロブレム」とは...
小学校に入学してからの学校生活に適応できず、精神的に不安定な状態が続くことで起こる子どもの行動を指します。
小1プロブレムが社会で話題にのぼり始めたのは最近ではなく、実は1990年代後半ごろから問題視されています。
1990年代と言えば、働く母親が増えてきた時期です。
もちろん、働くためには子どもを長時間預かってもらえる「保育園」が必要になります。
現場の保育士は一生懸命に頑張っています。
ただし、残念なことが一つだけあります。
保育士を沢山採用して、園児の数に対して〇人の保育士が必要と定められ、〈手厚い保育〉をしなければならないのです。
子どもの安全を守ることがが前面に出ていて、手をかけすぎて甘やかしになっている場合が多いのです。
例えば…
・靴も上着も履かせてあげて、バッグも背負わせてあげる。
・泣けば抱っこをしてあげて泣き止むようにしてあげる。
・子どもの言う事を聞いてあげて言う通りに叶えてあげる。
等です。
ここまで書くと「何がダメなの?一人一人に目が行き届いて安心だわ」という親の声が聞こえてきます。
そうなんです。「安心」なんです。
ただ、そのスタイルで年長まで育てられてきた子は「とある癖」が「安心」と引き換えに身に付いてしまう場合があります。
それは…
・自分の世話はしてもらって当たり前だ。
・泣けば、かまってくれて注目してもらえる。
・自分の好きなことをさせてくれるのが良い先生だ。
と学んでしまう事です。
そして、小学校に入って悲劇が始まります。
保育園と違い小学校は基本35人の子どもに一人の先生しかいません。
保育士と学校教諭も違います。学校の先生は泣いても抱っこしてくれません。
先生が話していても、好きなことをしてしまう。
教室から抜け出して校庭に遊びに行ってしまう。
泣いて、騒いで、動物園のような状態になってしまう。
と保育園や家庭で身に着けた癖をそのまま小学校でやってしまうので、先生方は苦労してしまいます。
この現象を小1プロブレムと言います。
小学校に入ることを前提に保育をし、育児をする。
「学校に行きたくない…ママと一緒がいい」
と登校渋りから不登校になる子が急増しています。
2023年の調査では不登校は過去最多を記録しました。
私の考えにすぎませんが、手厚く育てられ、お客様のように世話をしてもらってきた子が、小学校に入ったからとと言って「自分のことは自分でやりなさい」と言われても無理です。
しかも45分授業でずっと椅子に座り続ける訓練など受けていません。
「自由でのびのび、子どもの個性を伸ばす」と教育されてきた子が、教室の中から出られず自由を奪われます。個性どころか、みんなで一緒の行動をすることを求められるのです。
そりゃ、行きたくなくなる子どもの気持ちもわかります。
家でのびのび、好きなことをやって、自分の世話をしてもらえる方が楽ですから。
小学校に行ったときのことを考えずに、預けっぱなしの保育で育つとこの小1ギャップにぶち当たります。
幼児を持つ親は、今のことしか見えず、先のことが見えていない場合がほとんどです。
私たちは、安全は確保しつつも、依頼がない限り大人が手を出さず「子ども同士」で協力して解決する保育をしています。
私たちは、子どもの「自立」と「協力」をテーマに少人数の「縦割り保育」を軸にしています。
・自分のことは自分でする。
・仲間が困っていたら自分たちが助ける。
・泣くのではなく言葉で依頼をする。
という保育をしています。
〈3歳の子が入園間もない2歳児の世話をするようになりました〉
〈困っている友達を大きい子が率先して手伝うようになりました〉
大人が手を出しすぎると、子ども同士の協力的関係が育たなくなってしまいます。
逆に、手厚い保育をして大人が介入しすぎると、子ども同士に競合関係が生まれ、喧嘩やイジメ、競争、不適切な行動が始まるのです。きょうだい喧嘩や同じ親が育てているのにきょうだいで反対の性格になるのも、競合関係になっていた証です。
ここを理解して、大人の手を減らし子どもを主体とした見守り保育をする園が少なくなっているのが残念です。
沢山の保育士がいる保育園=質の良い保育園ではありません。
これも親へのサービス=行政のルールだから仕方がありませんが…
残念ながら、今後も登校渋りや不登校・いじめ・発達障害は益々増え続けると思います。
小学校で気づいても遅いと思います。
そこで、子ども達の未来をより良くするために「アドラー心理学@教師の会」に引き続き、「アドラー心理学@保育士の会」を毎月無料で開催し、保育士の質を上げていきたいと思います。
月1回、土日の20:00-21:00までZOOMで開催します。
希望する保育士の方は、私に連絡をください。
〈連絡方法〉
①Facebookでメッセージをもらう。
②suzuki@ily.co.jpにメールをする。
いずれかの方法でお願いします。
1回目は4月14日〈日〉20:00-21:00
教材は「アドラー心理学による教育~子どもを勇気づけるポジティブディシプリン~」を使用します。
教材がなくても、私がこの本を使って現場の子ども達の上手に対応をお伝えしますのでご安心下さい。