自然には身につかない!
もし、母国語ではない第二言語を身に着けたいなら、訓練や努力が必要だと前回書きました。
日本人が本当に英語を身に着けたいなら、私は以下のように伝えます。
それは「日本語が使えないアメリカに行ってしまいましょう!」と。
寝ている8時間以外の16時間を英語のみで過ごせば、6か月も経たないうちに英語でコミュニケーションできるようになりますし、夢も英語で見るようになります。
日本にいて英語を話す必要のない日常生活で、英語ができるようになるにはかなりの「訓練や努力」が必要となります。
私たちはインターナショナル幼児園を運営して1日5時間もの英語環境だけで過ごしますが、それでも1日の19%程度にすぎません。後の89%は、ほとんどの場合日本語で生活しています。
逆に、帰国子女の場合も同じです。
「海外で育って日本に来たら、日本語は大丈夫か?」と心配する方が多いですが、日本語まみれの環境に慣れにつれて残念ながら英語を使わなくなり、忘れてしまうケースがほとんどです。
「環境」が子どもに与える影響の大きさに驚くばかりです。
私がインターナショナル幼児園を経営していて一番力を入れているのは「親の教育力育成」です。
なぜなら、子どもにとり「親」は、良くも悪くも一番影響を与える存在だからです。
話をもとに戻しますと・・・
幼児園で1日5時間の英語環境+家で3時間の英語環境〈合計1日8時間/1日24時間の30%以上〉を作るにはどうすればいいでしょうか?
家での英語環境づくりを中心に考えてみると・・・
①朝の目覚め5分と夜の入眠前で5分=10分、幼児園送迎で40分〈片道20分として車内で英語のかけ流し〉、トイレや登園までの朝の時間10分で合計60分。
②食事の時間40分〈準備・食事・片付け〉+風呂20分で合計60分。
③遊びの時間60分は英語環境にするため英語のBGMを流すので60分。
これで3時間です。
ご覧になった通り、ほぼ英語漬けになります。
親が英語ができない場合でも、英語ができる子供に育てることは十分に可能です。
①幼児期に英語環境を習慣づけてしまう。
②子どものやる気を引き出して自らやる子に育ててしまう。
という2点です。
「子どものやる気」を育てる秘訣は、アドラー心理学にあります。
私たちが、英語環境を提供すると同時に「子どものやる気」を促すために、親に対してアドラー心理学を学ぶチャンスを作っているのはそのためです。
日本語力が英語力向上につながる
私たちの園では、毎朝約1時間「日本語の時間」を作っています。
流れとしては・・・
①体を動かすダンス
②子どもたちによる朝礼
③国語の授業
という流れです。
①体を動かすダンスの意味
毎朝、先生が子どもを正座して迎え、本人が靴をそろえて、服と荷物を畳んだ後に集合します。
この後に「人間ていいな」とか「wacchiさんの大丈夫」とか「やってみよう」などの子どもを勇気づけられるような曲を選曲し、体を動かしダンスをします。まずは、「動」から入ります。
②子どもたちによる朝礼の意味
次に「静」です。動と静を切り替えることによりメリハリと心の切り替えを行います。
立腰を行い深呼吸をして黙想します。そして「立ってください」の号令の後「はい!」とすぐに立ち、朝礼が始まります。
リーダーの子がベルを鳴らして、進行をします。
・国歌斉唱
・挨拶実習
・詩の朗誦
・7アクト斉唱
・幼児園規則、心得の斉唱
それぞれの役割を子どもたちが行い、リーダーの合図で朝礼を行いますが、圧巻です!
因みに、以下のYoutube動画は、私が指導した子どもたちの朝礼の様子です。
埼玉県5,500社の会員を有する経営者の朝礼コンクールで「iLyの子ども達」が出場して、大人顔負けの朝礼を披露して大人たちを感動させました。
幼児から、リーダーシップを養い起業家教育を行っています。
③国語の授業の意味
ここでは日常生活で子どもが目にする漢字をフラッシュカードで覚えます。
・自分の名前、父母の名前、祖父母の名前、住所など
・今日の日付や天気、友達の名前など
・小学校1年生の教科書〈年間80漢字〉を分解して、教材に落とし込み時間をかけて身に着けます。
・家から幼児園まで、子どもが目にする看板や文字を漢字・ひらがな・カタカナを教えて日常で使えるようにします。
〈警察署・踏切・道路・飲食店・スーパー・日常食べるもの・使うものなど〉
教室の各所に漢字や詩が貼ってありますが、同じプリントを家でも貼ってもらうようにしています。
・偉人教育
〈スパイダーマンや機関車トーマスなどの架空のヒーローではなく、実在の人物を取り上げて子どもたちの憧れ・目指す
人物像を育てます〉
・素読
江戸時代の子どもたちは「素読」を行いました。素読とは、みんなで声を出して一緒に意味ある文章を読むことです。・
言葉は、見る、声に出す、聞く、体験することで体に入ります。
二宮金次郎が読んでいた「大学」の文章や教育勅語、般若心経、祓詞など日本文化で伝えねばならない「古典」も子ども
たちはスラスラと覚えてしまいます。
江戸時代の素読教育を受けた子どもたちが、二宮金次郎、中江藤樹、上杉鷹山、西郷隆盛などの世界に名だたる人物に育
っています。それと同じ教育をアイエルワイグループの幼児園では行っています。
このような専門的教育を楽しく家庭と共有し、子どもの環境に入れてしまうのです。
まさに、園と家庭の「共育」であり、子どもを取り巻く環境づくりがキーポイントです。
日本語力の向上が英語力の向上につながります。
母親が働き、保育園に預けっぱなしの「放任教育」又は園と保護者が違うことをやっている「対立教育」ではなく、専門家の園と保護者がともに行う「協力共育」です。
それと、大切なことがあと一つあります。
それは、親が毎日使っている言葉の質であり、子どもとの会話方法です。
母と子の対話は大きな影響を与えます。
次回はも、このことを書きたいと思います。