アガサ・クリスティー/白昼の悪魔 | 弁護士宇都宮隆展の徒然日記

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くにたち法律事務所@吉祥寺 東京大学法学部卒 東京弁護士会所属(35489) レアルマドリー・ボクシング・小説・マンガ・音楽・アート・旅行・猫などが中心のブログです

アガサ・クリスティーさんの「白昼の悪魔(Evil under the Sun)」(鳴海四郎訳)を読みました
 
クリスティ自作ベスト10にランクされている作品ではないのですが、昔読んで面白かったという記憶があったので先に手に取りました
 
他の女性たちから「妖婦(ヴァンプ)」と呼ばれる魅力的な女性が、リゾート地で男性をたぶらかした後に殺されるというくらいしか覚えていませんでしたが、ストーリーとしてはまさにそのとおり
 
元女優で性的な魅力にみちたアリーナ・マーシャルは、スマグラーズ島というリゾート地に夫及びその連れ子とやってきていました
 
パトリックというイケメンを魅了していることは誰の目にも明らかで、パトリックの妻クリスチンはせっかくのリゾート地なのに悲嘆に暮れています
 
「私は別のところに行きたいといってたのに、あなたがここを選んだのは彼女がくるとわかっていたから何でしょ」と言っているところを、ここへ羽を伸ばしに来ていたポアロがたまたま聞いてしまいます
 
そして、離れ小島でアリーナが絞殺されます
 
発見したのは、パトリックとブルースターという女性です
 
クリスチンによれば、アリーナは誰かにゆすりにあっていたらしく、また現場には麻薬も転がっていたので、犯行の動機がなかなか絞れません
 
犯人は、嫉妬に狂ったアリーナの夫なのか、それともずっと以前から彼のことが好きだったダーンリーがアリーナを排除しようとしたのか

クリスチンはか弱すぎて到底無理そうですし、そもそも絞殺したのは、手の大きさから男性のようです
 
ポアロが明らかにしたのは、まさに意外な真相でした
 
アリーナという女性のキャラクターをくるっと引っくり返してみせるところはさすがです
 
なお、個人的には、この結末から坂口安吾さんの某傑作を想起したので、検索してみました
 
その作品が発表されたのが1947年から1948年にかけてのことで、「白昼の悪魔」が発表されたのが1941年のことだというので、「おお!これは!」と思っていたのですが、検索結果の一覧から「坂口さんの傑作は、クリスティの別のある作品に影響を受けている」という趣旨の見出しをみてしまいました
 
さらには、本書末尾の解説には、「本書のトリックはクリスティーの某作品のトリックのアレンジ」と記載されていたので、未読であるクリスティの某作品についてドミノ倒し式にネタバレをくらう羽目になってしまいました
 
でも、坂口さんの某作品はとても好みですし、本作もやはり好みでしたので、たとえネタバレしていても「ナイルに死す」は読んでみます!

 

 

 

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