アントニイ・バークリーの「レイトン・ハウスの謎(The Layton Court Mystery)」(巴妙子訳)を読みました
1925年に発表された作者のデビュー作です
アントニイ・バークリーといえば、「毒入りチョコレート事件」で非常に有名ですが、恥ずかしながらこれまで一作も読んだことがありませんでした
このたび2002年に発行されていた本作の単行本が、文庫本として再発行されたことをきっかけに読んでみることにしたしだいです
主人公は作家のロジャー・シェリンガム
彼はとにかくおしゃべりで、ワトソン役の友人アレックに対して、のべつ幕なしに推理を語り続けます
名探偵はなかなか自分の推理を明かそうとしないのが普通ですから、「フェアプレイ」を標榜する本作のシステムは逆に新鮮です
作品の内容は、レイトン・コートの主人であるスタンワース氏が額を銃で撃ち抜かれた状態でみつかります
部屋は密室で、遺書もありました
そのため警察は自殺で処理しようとしているのですが、シェリンガム氏はそれを疑って探偵活動を始めるのです
ミステリを読み慣れている者にとっては、かなり簡単に犯人がわかってしまいますが、それをこの時期にやっていることが素晴らしい
クリスティのアレが1926年発表だというのですから、こちらの方が先なわけです(もちろん、クリスティがパクったという趣旨ではありません)
ラストも「爽快」でした
やはり「毒入りチョコレート事件」も読む必要がありますね
↓スレッズの方もよろしくお願いします