アジェイ・チョウドゥリーさんの「謎解きはビリヤニとともに(The Waiter)」(青木創訳)を読みました
主人公はコルカタで警察官をしていたカミル・ラーマン
父はかつて警視監をしており、カミルも尊敬している父のようになりたいと日々頑張っていました
そんな彼にボリウッドスターが殺害されるという大きな事件がめぐってきます
張り切るカミルでしたが、その結果触れてはいけない領域に立ち入ってしまって免職に
ロンドンのブリック・レーンでインド料理店をしている父の古い友人の下で、ウェイターをして過ごすことになります
すると、今度は父の別の古い友人で大富豪のラケシュが殺害される事件に巻き込まれることに
コルカタでの苦いエピソードとロンドンでの現在進行形のエピソードが交互に語られる形式で進んでいきます
ミステリとしての意外性はそれほどではないのですが、カミルが過去の経験を踏まえてどのような判断をするのかには見応えがありました
最近は日本でもインド映画に大きな注目が集まっていて、「RRR」や「バーフバリ」などのタイトルはすごく有名です
それらの映画がいわゆる「ボリウッド」映画なのかと思っていましたが、検索してみると全く違いました
ボリウッドが北インドにあるムンバイの映画産業(言語はヒンディー語)を指すのに対して(ボリウッドとは、ムンバイの旧称ボンベイとハリウッドのミックス)、「RRR」や「バーフバリ」は南インドの映画産業(言語はテルグ語)によるものだそうです
なお、邦題はちょっと雰囲気を軽くしすぎた感じですね
イギリスではすでに続編「The Cook」が発刊されているとのことですが、次の邦題はどうするのでしょうか?