櫛木理宇さんの「死刑に至る病」を読みました
主人公の男子大学生は、あるとき希代の連続殺人犯から手紙を受け取ります
その男は、非常に数多くの少年少女を残虐に殺害したのですが、そのうちの9件について起訴されています
第一審の判決は死刑で、現在は控訴審の段階になっています
被告人は、主人公に対して、9件のうち1件は本当に自分の犯行ではなく冤罪なのだと言います
不本意な大学生活に鬱屈としていた主人公は、被告人の主張について調べ始めたのですが、次第にそれに熱中するとともに被告人に魅入られるようになっていきます
この辺の流れは、貫井徳郎さんの「愚行録」や柚木麻子さんの「Butter」に似ています
調査が進むにつれて徐々に大きく膨らんでくるある「疑惑」をめぐる展開は面白いアイデアでした
本作は映画化されて、ちょうど今月から公開されているようですが、超絶サイコパスである被告人を演じているのは阿部サダヲさんとのこと
これは明らかにはまり役なのではないでしょうか
なお、本作は単行本発行の時は「チェインドッグ」というタイトルだったところ、文庫本化されるときに今のタイトルに変更になったとのことですが、これは今の方が断然いいですね