山口つばささんの「ブルーピリオド」第12巻を読みました
前巻は、2年生に進級した八虎くんが、予備校時代の友だちであった「天才の妹」桑名さんと出会うところで終了していました
今回はその関係が深められていくのかと思いきや、八虎くんの遅れてきた五月病のような展開に
進級した八虎くんは、相変わらず美術への取り組み方に迷っていて、そんななかで知り合ったアート集団ノーマークスにはまってしまいます
藝大副学長も務める犬飼教授の言動に強烈な権威性を感じてしまうからこそ、反金持ち・反政治家・反美大・反藝大という方向性をもつ反権威主義芸術集団に惹かれてしまうところがあるのでしょう
リーダー的存在である女性フジさんのカリスマに魅入られた八虎くんには、大学を辞めてしまいそうな雰囲気すら漂います
会田誠さんの「げいさい」にも、麻布高校を出て藝大に進みながら、いつの間にかオウムみたいな宗教団体にはまって行方知れずになってしまうというキャラクターが登場しますが、こういうのは藝大「あるある」なのかもしれません
八虎くんに「大学なんて早く辞めてしまった方がいい」とアドバイスして、自分も退学届を出すと言っていた先輩がラストで心変わり?
やっぱり、八虎くんには藝大生活を続けてほしいですね