大山誠一郎さんの「時計屋探偵の冒険(アリバイ崩し承ります2)」を読みました
捜査に行き詰まった刑事が、アリバイ崩しを請け負ってくれる時計屋の女性に相談をして、彼女が見事な安楽椅子探偵ぶりを示すという設定の短編5つが収録されています
どれも非常に読みやすくできているのが特長ですが、ちゃんと練られています
3話目は、動機をめぐって安楽椅子探偵の推理がいったん外れたかのようになって、そこからもう一ひねりあるところがよかったです
4話目は、遠隔地でほぼ同時に起きた殺人事件について、両方の容疑者となることが逆にどちらの事件のアリバイにもなるという話
この二律背反のアイデアについては、かなり前にある有名な作家さんが書いてみたいと言っていたという文章に接した記憶があります
結局それが作品となったのかどうかは知りませんが、少なくとも本作は、アイデアがしっかりと作品に落とし込まれていて見事でした