舞城王太郎/Would You Please Just Stop Making Sense? | 弁護士宇都宮隆展の徒然日記

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くにたち法律事務所@吉祥寺 東京大学法学部卒 東京弁護士会所属(35489) レアルマドリー・ボクシング・小説・マンガ・音楽・アート・旅行・猫などが中心のブログです

新潮2021年10月号で舞城さんの「So You Think This Is It?」を読んだときに、自分の知らないスポンジシリーズの1つが新潮の先月号に掲載されていると述べたのですが、これはひどい事実誤認で、9月号は9月号でも2016年9月号でした

 

図書館にもとっくに所蔵されていない状態になっていたので、バックナンバーを購入して、ようやく読むことができました

 

本作は、時系列的に第1作の続きになっています

 

冒頭はブラジルで行われたギャングチームと警察チームのサッカー対決から始まり、これがなかなか引き込まれる話になっているのですが、すぐに別の話に切り替わってしまいます

 

サンディエゴで警察官をしているスポンジが、異臭の通報をもとに現場に向かうと、バスタブで3つのロベルト・アルフォンソの死体とギリギリ生きていたニューヨークの警察官ドミンゴを発見します

 

ドミンゴは友人をストーキングしている怪しい女性に注意をしようとしたら、スタンガンでやられて、縛られたまま1週間も死体スープに浸けられていたというのです


まるで望月峯太郎さんの「座敷女」のような不気味な女性は、スポンジを悪夢の世界に呼び込みます

 

幼なじみのアンジェリーナやその娘たちとの具体的な手応えのある日常と、不思議な悪夢の世界との対比がしっかりと描かれていますが、物語としては「投げっぱなし系」です

 

ただ、ジーナが自分の父について述べたはずの「預言」が、悪夢の中のスポンジにあてはまっていくという流れはなかなかでした

 

これで未読であったスポンジシリーズをすべて読み終えました

 

ここまで2010年→2013年→2016年→2021年というペースで発表されていますので、次はまた当分先になるのでしょうか?