高木彬光/人形はなぜ殺される | 弁護士宇都宮隆展の徒然日記

弁護士宇都宮隆展の徒然日記

くにたち法律事務所@吉祥寺 東京大学法学部卒 東京弁護士会所属(35489) レアルマドリー・ボクシング・小説・マンガ・音楽・アート・旅行・猫などが中心のブログです

高木彬光さんの「人形はなぜ殺される」を読みました

1955年に発表された作品です

アマチュア奇術団による発表会の直前に楽屋でトラブルが起きます

ギロチンマジックで使うために用意していた人形の首が、本番を前に衆人環視の状況下で箱から消えてしまったのです

その後、首を落とされる役だった女性が、実際に首なし死体で発見されます

次に、同じアマチュア奇術団が集まった邸宅からマネキン人形が紛失し、そばの線路で電車に轢かれたバラバラの状態で発見されます

そのすぐ後、最初の被害者の妹が同じ線路で轢断死体となって発見されます

犯人はなぜ先に人形を殺すのか?

読者への挑戦状も挿入されており、古典的な美しさにあふれた作品でした

ただ、造りが素直すぎるのか、ある人物が二回目に登場してきた時にこれが犯人だろうと目星がついてしまい、そのためにマネキン人形が轢断された目的もあっさり見当がついてしまうことから、今読むと驚きはほとんど感じられません

もちろん、60年以上前ならかなりの驚きをもって迎えられたでしょう

そういう観点からは十分満足しました