平石貴樹さんの「笑ってジグソー、殺してパズル」を読みました
若き女性特別捜査官である更科丹希(サラシナニッキ)を探偵役にしたシリーズの第一弾で、1984年8月に単行本が出版されています
タイトル自体もそうなのですが、文体もあの時代っぽさにあふれていて、しょうがないこととはいえ、読んでいてさすがにちょっと気恥ずかしくなるときがありましたね
さて、代々女系で継がれている三興商事の現当主である興津華子は、1か月ほど前に心筋梗塞で倒れて絶対安静を命じられ、自宅の寝室で静養していたのですが、ある日ベッドで胸に短剣を突き立てられている姿で発見されます
死体の周りには華子が趣味にしていたジグソーパズルがばらまかれており、医療ケースからは注射器が1本なくなっていました
その後に華子の夫も同じ部屋で刺殺され、さらには華子と夫の養女である麗子が自宅の密室で首をつっているのがみつかります
いずれも死体の周りにはジグソーパズルがばらまかれています
果たして犯人は麗子だったのか?
全体的に冗長すぎる気もしましたが、ミステリの基本である「木を隠すなら森の中」がうまく組み合わされていて、十分満足しました
ところで、緋文字的な話が出てくるのは、作者のアメリカ文学研究者魂なのかな?