矢口くんはますます絵画にのめり込んでいきます
美大進学に反対していた母に対して、どうしても美大に行きたいと話すシーンは、絵という表現形式についての見事な説明になっていました
また、本巻から登場した予備校講師の大葉先生のキャラクターが特によかったですね
絵画の理論を分かりやすく伝える役割を担いながらも、抜群の明るさと包容力を感じさせてくれます
高校の美術部の顧問をしている先生のキャラがちょっと弱かったので、本作にとって非常に大きな補強になりました
冬季講習のときの予備校講師はキャラが皆無だったので、もしかしたら編集者などのアドバイスがあったのかもしれません
個人的には、本作がマンガ大賞を受賞した一番の理由は、大葉先生を投入できたことにあるではないかとさえ思います
また、第1巻で天才性をみせつけた高橋くんが、それほど自分を評価してくれない予備校と決別するところや、矢口くんに対して「他のことでも成功できる人がこっちの世界に来ないでほしい」と言い放つところもよかった
他方で、女装男子のゆかちゃんは、存在意義が迷走気味
内面の設定がはっきりしていないところに問題があったのかもしれません
矢口くんにとっての導きの星は、森先輩だけで十分な感じだし
いずれにしても続きが楽しみです
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