刑事事件では、逮捕された後に勾留されたままの状態で手続が進むことが多いです(保釈が認められると勾留されない状態で手続が進みます)
この場合に判決が出されるときには、それまで未決状態のまま勾留されていた日数の一部が刑期に算入されます
したがって、実刑判決が下されても、未決勾留日数の算入によって、実際に刑務所に行く日数はいくらか減ることになります
いわば刑期の前払いです
未決勾留されていた日数のうち何日が前払いに当てられるかは、通常は裁判官の裁量で決められるのですが、一定の場合には裁判官が自由に決めるのではなく、法律で画一的に決められています
そのような場合の1つが、被告人が控訴を申し立てたときの規定です
被告人が控訴を申し立てたものの控訴審でも敗訴したような場合には、判決言渡日から控訴前日までの期間は絶対に算入してもらえるのです
控訴期間は二週間ですから、ギリギリまで待ってから控訴した方が、より多くの日数を参入してもらえることになります
したがって、判決言渡しの当日に控訴する「即日控訴」は、未決勾留日数との関係では、被告人に有利なものではありません(数日レベルですが)
なお、一審で実刑判決が出されると保釈の効力は失効しますので、保釈されていた被告人は直ちに身柄を拘束されることになります
もっとも、控訴することを前提に、再び保釈の申請をすることはできます
保釈保証金は、逃げずにちゃんと裁判に出席すれば最終的には全額が返還されますが、控訴審における保釈保証金は、一審の時の1.5倍くらいに高くなるのが通常です
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