雫井脩介さんの「犯人に告ぐ3 紅の影」を読みました
このシリーズは神奈川県警を舞台にした警察小説なのですが、いずれも雫井さんの素晴らしいアイデアが詰め込まれた内容となっています
第1作目は、かつてマスコミの対応に大失敗をして人質の命を救えなかった巻島刑事が、数年後にテレビに出て、新たに発生した誘拐事件の犯人を挑発する劇場型捜査を繰り広げるという設定でした
第2作目は、オレオレ詐欺と誘拐を絡める独創的な設定で、これも十分に面白かった
そのときの感想で「今回逃げおおせた黒幕を再登場させれば、本シリーズで更なる続編を制作することも可能かもしれません」と述べていたのですが(2015-11-28)、今回の第3作目はまさにそれでした!
巻島刑事が逃げおおせた黒幕リップマンに向けて新たな劇場型捜査を仕掛けるのですが、そこには横浜市にカジノを招致しようとしている利権集団が絡んでいるなんてところは非常にタイムリーでしたね
劇場型捜査を行う動機にも工夫がありました
リップマンの方は、真の黒幕ワイズマンのアイデアに基づいてとんでもないことを企みます
ほぼノーリスクで5000万円をせしめようというのですが、その相手がすごい!
最後は相場どおりでちょっと物足りない感じでしたが、それでも由香里のキャラクターは悪くなかったですね
次はいよいよワイズマンが主役になるのか?
本人が直接犯罪に手を染める立場にいないため、犯罪シーンで盛り上がらせるのが難しそうですが、雫井さんならやってのけるでしょう
楽しみに待っていたいと思います
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