奥泉光さんの「モーダルな事象（桑潟幸一助教授のスタイリッシュな生活）」を読みました
クワコーのところに持ち込まれた童話の原稿を巡って連続殺人が起きるのですが、探偵役はもっぱらライターとジャズシンガーの元夫婦コンビで、タイトルに反してクワコーは意外と影が薄い
クワコーパートが幻想的な展開に終始するため、本作の後のクワコーシリーズをイメージしていると面くらいます
というか、本作の後にクワコーを使ってよくもあれだけの爆笑シリーズを生み出したなあ
全体的にかなり長いこともあって、ミステリとしてはラスト辺りはちょっとグダグダ感があるのですが、元夫婦コンビが一歩一歩謎に迫っていくところは非常にワクワクさせます
国立や谷保、井之頭公園などが出てくるところも、場面が目に浮かんできて、個人的には嬉しいポイントです
ところで、粘菌のような多核生命体を生みだしてロンギヌス物質を完成させるとかは、極めてエヴァンゲリオン的ですね！
とにかく、クワコーものとして捉えるのであれば、後からのクワコーシリーズの完成度の方が高いのかもしれませんが、本作は本作で読み応え満点の作品でした
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