李龍徳さんの「愛すること、理解すること、愛されること」を読みました
美大を出た二組のカップルを巡る愛憎劇です
4人が大学4年の時に同じ大学の1年生だった女性の妹が、軽井沢の外れの別荘に4人を招くところから始まります
自殺した姉が日記に4人のことを頻繁に書いていたので、実際に会ってみたいというのです
この妹も含めて、登場人物の多くが言いたいことをとてもづけづけと口に出します
その点はちょっと違和感を覚えるほどですが、小説としてはどこか引きつけられるものがあって、先を読みたいと思わせてくれます
デビュー作でもそうだったし(2014-10-08)、良い意味で独特の雰囲気を持っている作家さんだなと改めて感じました
ただ、本作はタイトルが内容とミスマッチではないでしょうか
特に「理解すること」が浮いている気がします
デビュー作が「死にたくなったら電話して」で、次が「報われない人間は永久に報われない」ですから、ここらでポジティブなタイトルにしたかったのかもしれませんが、やはりネガティブな「憎」の要素が含まれていてもよかったと思います
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