似鳥鶏さんの「叙述トリック短編集」を読みました
のっけからすべての短編が叙述トリックものであると宣言する挑発的な短編集です
全部アリバイもので構成された大山誠一郎さんの「アリバイ崩し承ります」(2018-10-02)もそうでしたが、すべて同じテーマで構成するというのは、体系的な「密室講義」のようなものを実作を通じて具体的に行うわけで、意欲的な良い企画だと思います
ただ、アリバイものであれば問題ないのですが、叙述トリックものは意外性が命なわけですから、最初からネタを明らかにして大丈夫なのかが心配になります
しかし、杞憂でした
それぞれの短編は、まあ叙述トリックあるあるという感じなのですが、最後にもってきた大技はお見事でした
冒頭の「読者への挑戦状」も極めて効果的に利用されており、とても満足しました
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