古野まほろ/禁じられたジュリエット | 弁護士宇都宮隆展の徒然日記

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くにたち法律事務所@吉祥寺 東京大学法学部卒 東京弁護士会所属(35489) レアルマドリー・ボクシング・小説・マンガ・音楽・アート・旅行・猫などが中心のブログです

古野まほろさんの「禁じられたジュリエット」を読みました

 

ジョージ・オーウェルの「1984年」をベースに、スタンフォードの監獄実験を組み合わせた長編小説です

 

作中の日本は分割統治されており、主人公はディストピアの方の日本で「エリート教育」を受けている女子高生たちです

 

この世界では「1984年」と同様に新国語が使用されており、ミステリは退廃文学として禁書化されているのですが、6人の女子高生がその禁を破ってしまったために、反省室に隔離されて「更生プログラム」を受けることになります

 

「更生プログラム」を現場で実践するのは同級生の2人で、最初は「適当に形を整えて早く終わらせよう」などと6人に話していたのですが、もちろんすぐにウルトラサディスティックな展開に!

 

6人の心を折るために凄惨な教化行為が繰り広げられるようになります

 

本作は、そこからさらに世界が反転するような展開が何度も重ねられるという大サービスの内容になっていますが、正直二度目の反転以降はミステリ色は強くなるものの内容的には尻すぼみかな

 

本作は女子高生による監獄実験が本当にすごかったので、それを貫徹させる救いのない話にしてほしかったと思います