池澤夏樹/世界文学を読みほどく | 弁護士宇都宮隆展の徒然日記

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くにたち法律事務所@吉祥寺 東京大学法学部卒 東京弁護士会所属(35489) レアルマドリー・ボクシング・小説・マンガ・音楽・アート・旅行・猫などが中心のブログです

池澤夏樹さんの「世界文学を読みほどく スタンダールからピンチョンまで」を読みました

 
内容は池澤さんが2003年の夏に京大文学部で行った短期集中講義です
 
2005年に出版されていたのですが、今年になって増補新版が出版されたというきっかけでこのたび出会ったわけです
 
以下の10冊を題材としています
1 スタンダール「パルムの僧院」
2 トルストイ「アンナ・カレーニナ」
3 ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」
4 メルヴィル「白鯨」
5 ジョイス「ユリシーズ」
6 マン「魔の山」
7 フォークナー「アブサロム、アブサロム!」
8 トウェイン「ハックルベリ・フィンの冒険」
9 ガルシア=マルケス「百年の孤独」
10 ピンチョン「競売ナンバー49の叫び」
 
個人的に読んだことのある3・6・9・10について、どのようなことが述べられているのかはすごく楽しみでしたが、それ以上に読んだことのない作品について述べられているところが面白かった!
 
全体を通じて、小説の読み方がブラッシュアップされたようです
 
また、一番エキサイティングだったのは、小説の移り変わりにあわせて「変わりゆく世界」について触れられているところです
 
2003年に池澤さんが感じられていたことは、2017年の現在にはもっと加速しているように思います
 
上記10冊のうち一番新しい「競売ナンバー」ですら1966年の作品です
 
1970年以降を対象に、本作と同じように作品と世界を「読みほどく」本があったら読んでみたいですね