藤本タツキ/ファイアパンチ | 弁護士宇都宮隆展の徒然日記

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くにたち法律事務所@吉祥寺 東京大学法学部卒 東京弁護士会所属(35489) レアルマドリー・ボクシング・小説・マンガ・音楽・アート・旅行・猫などが中心のブログです

藤本タツキさんの「ファイアパンチ」を第1巻から第3巻まで読みました
 
作中では、生まれながらに「祝福」という特殊能力を使うことができる人間がいることになっています
 
「祝福」には様々な種類があり、主人公のアグニは並外れて強い再生能力を持ちます
 
アグニはその力をダイレクトに使って、氷の魔女と呼ばれる祝福者によって氷河期のようになってしまったと言われている世界で、ある村で「食料」を供給する役目を負って生活していました
 
そこにたまたまベヘムドルグから軍隊を率いてやってきたドマという名の炎の祝福者が、その「食料」をみたことで激高し、村を村人ごとすべて燃やし尽くしてしまいます
 
ドマの炎は対象が焼け落ちるまで決して消えないのですが、アグニだけは焼けるそばから再生してしまって死ぬことができません
 
結局8年かかって、炎を上げて全身を焼かれ続ける強烈な痛みに耐えながらも普通に動くことができるようになったアグニは、ドマへの復讐を誓います
 
再生能力者が絶え間なく焼かれ続けるという壮絶で斬新な設定には感銘を受けましたが、続きにも非常に驚かされました
 
第1巻のラストからいきなり登場するトガタという女性が、アグニの映画を撮りたいと言いだしてからは、物語は通常の「復讐もの」としての予定調和から思いっきり放り出されます
 
トガタのクレイジーですっとぼけた言動は、アグニという強烈なキャラクターをあっという間に脇役に追いやってしまうほどの破壊力があり、第2巻はかなりの傑作になっています

素晴らしい変調をみせつけてくれたおかげで、第3巻は期待が高まりすぎました

十分面白いのに、普通のマンガになってしまった感がありました

肩すかしを待っていたらすかされない、みたいな感じでしょうか

ただ、ラストでとうとう氷の魔女が登場しており、続きが非常に楽しみです