トム・ジョーンズ(Thom Jones)さんの「コールド・スナップ(Cold Snap)」を読みました
「拳闘士の休息(The Pugilist at Rest)」(2013-04-17 ・2013-04-20 )に続く2作目の短編集で、原書は1995年に発表されています
「拳闘士の休息(The Pugilist at Rest)」は以前述べたとおり岸本佐知子さんの翻訳が素晴らしかったのですが、今回は全編舞城王太郎さんが翻訳を担当しています
「スーパーマン、我が息子」の初出の際には少々ぎこちなく感じた翻訳でしたが(2013-04-06 )、今回は少々手を入れており、読みやすくなっていました
また、これも以前指摘しましたが、トム・ジョーンズ(Thom Jones)さんの作品は明らかに舞城さんに強い強い影響を与えているので、そのような舞城さんが翻訳を担当するのは適役といえるでしょう
作品の内容は、基本的には1作目と同様の方向性を持っています
すなわち、どこか社会不適合性を有する人物が人生で必死にあがく際の、悲劇と喜劇の両面を描写していきます
短編集のトータルとしては前作の方が上かと思いますが、「スーパーマン、我が息子」や「ロケットファイア・レッド」の魅力には素晴らしいものがあります
後者はエピソードの流し方や物語における時間の経過がモロに舞城さんって感じで、そこも面白いところですね
柴田元幸さんの解説によると、3作目の短編集である「Sonny Liston Was a Friend of Mine」も舞城さんが翻訳する予定だのことで、それも今から非常に楽しみです
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