ローマにつきました
行きの機内では、まずミシェル・ウェルベックの「地図と領土」を読んでました
この作者の「素粒子」には、かつて感銘を受けたことがあります
個々のエピソードが素晴らしい上に、最後に自分好みの大掛かりな奇想が仕掛けられており、言うことなしでした
そこで本作を手に取ってみたわけなのですが、これは小説トータルとしては正直失敗でしょう
第三部以降はまるまる余計に感じましたし、ラストもありきたり
「鬼才ウェルベック最大の衝撃作」という帯のコピーには、残念ながら偽りありと言わざるを得ません
もっとも、個々のエピソードにはみるべきところも少なくなく、読んで後悔ということはありませんでした
この方は孤独を描くのがホントに巧くて、今回も感じ入る箇所はありましたね
地図と領土 (ちくま文庫) Amazon |