京極夏彦さんの「死ねばいいのに」読了
派遣のOLが殺害されたのち、その知り合いを名乗る若い男性が関係者に事情を聴いて回るという設定の連作短編集です
主人公と話す相手は、派遣先の中間管理職、お局的女性、ヒモ、被害者の母、刑事、弁護士の6人
主人公と話しているうちに、聴かれているOLのことではなく、いつの間にか話している人物自身の内面的事情(居場所のなさ、嫉妬、貧困、虐待など)が露わになっていきます
犯人と動機がすぐにわかってしまう点や登場人物らが紋切型な点に難はありますが、文章や主人公の男性のキャラ造形はさすがに巧く、本作と同一設定のワンメーク創作大会などあれば上位入賞間違いなしの作品とは思います
ただ、京極さんに期待するのは、こういう「あるあるもの」ではないんだよなあ