足利事件は本当に冤罪なのか? 7 再鑑定時に検出されたDNA型「18-24」は誰の物か?(プレ) | 宇都宮義塾

宇都宮義塾

Music & Study Cafe
- 宇都宮随一を誇る高音質と豊かな教養 - Since 2012

 

 

足利事件 再審の公算

 

弁護側、結果発表

 

再鑑定、DNA型不一致

検察と弁護側 高裁に意見書提出へ

 

 足利市で一九九〇年五月、保育園児松田真実ちゃん=当時(四つ)=を殺害したなどとして、

殺人罪などに問われ無期懲役が確定した元幼稚園バス運転手、菅家利和受刑者(六二)が

無罪を訴えている再審請求の即時抗告審で、弁護側は八日記者会見し、

検察側推薦と弁護側推薦双方のDNA再鑑定で、

菅家受刑者のDNA型と真実ちゃんの着衣に付着していた体液が一致しなかったことを明らかにした。

(中略)

さらに弁護側は弁護側鑑定で、真犯人のものとみられるDNA型を検出したと指摘した。

(中略)

また弁護側鑑定ではSTRのほか、別の鑑定法「MCT118型」も行い、

体液から抽出したとされる型が18-24型だったという。

菅家受刑者の型は18-29型だった。

 

二つの鑑定法による結果を踏まえ、弁護側鑑定は

「いかなる偶然性を排除しても、同一である可能性はあり得ないと言っても過言ではない」

などとした。

(2009年5月9日付『下野新聞』1面)

 

 

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

 

 

足利事件DNA再鑑定スタート

弁護団「歴史的な日」

試料の劣化心配も

 

 「再審請求でDNA再鑑定が初めて行なわれた歴史的な日だ」。

足利事件の再審請求の即時抗告審で、犯人の体液が付着しているとされる半袖下着を切り分けて

DNA再鑑定がスタートした二十三日、弁護団は東京高裁内で会見、再鑑定の意義を強調した。

(中略)

 半袖下着は血液型鑑定や月日の経過のために変色。

以前の鑑定で一部は切り抜いてあるため、体液は肉眼では確認できないという。

笹森学弁護士は「切り分けたどの部分に体液があるのかは、ばくちのようなもの」と指摘した。

 佐藤博史弁護士は「冷凍保存されるまで長い期間常温で保管されており、

鑑定試料としてはベストではない。

鑑定は犯人のDNA試料が取れるかどうかにかかっている」とポイントを挙げた。

(2009年1月24日付『下野新聞』3面)

 

足利事件 DNA再鑑定

(中略)

■「鑑定不能」も

 

 旧鑑定には疑問が多いものの、菅家受刑者が犯人でないことの証明にはならない。

「白黒をつける」には、再鑑定が不可欠だった。

(中略)

「鑑定不能」もありうる。

証拠の体液は旧鑑定でほとんど使われ、微量しか残っていない。

長い間の常温保存などで劣化も懸念される。

この場合、再審開始の見通しはつかない。

(2009年3月21日付『下野新聞』6面)

 

独自鑑定の法医学者

 

「無駄でもいい。鑑定してください」。

迫る佐藤博史弁護士。

「やめたほうがいい」。

押田茂實教授は難色を示した。

(中略)

 再鑑定については「技術的には常温で保管されていても五十年は可能」という。

一方で「半袖下着には多くの人が触っており、結論は出ないだろう。

再鑑定結果がいずれでも再審請求は簡単には終わらない」と予測する。

(2009年3月21日付『下野新聞』7面)

 

足利事件

別人DNA両鑑定一致

真犯人の存在 可能性大

(中略)

検察側 県警OBらの照合着手

 

 発見時の下着は背面の中央付近に犯人のものとされる体液が点在していたが、

捜査時の鑑定に使用したためが開いていた。

再鑑定では穴の中心を通るように二つに切り、

検察側、弁護側双方が推薦する鑑定人が体液が付いていた穴の周辺などからDNAを採取した。

(中略)

 一方で東京高検は鑑定書の検証のため、

下着を触った可能性があるOBを含む当時の県警捜査員のDNA採取と照合を進めている。

数十人が対象で多くはすでに退職しているという。

(2009年5月20日付『下野新聞』1面)

 

鑑定データ追加を

足利事件

高検が上申書

 

 足利事件で殺害された女児の着衣に付着した体液から、

再審請求中の菅家利和受刑者(六二)=無期懲役が確定=とは別人のDNAが検出された東京高裁の再鑑定結果を受け、

東京高検は十四日までに、弁護側推薦の鑑定人のデータが不足しているとして、

詳細なデータの追加提出を求める上申書を高裁に提出した。

「着衣には女性のDNAも含まれている。データを全て検討する必要がある」としている。上申書は十二日付。

 

しかし、この女性が女児本人か女児の母親だった可能性もあるため、

弁護側は「(高裁が)再審開始の可否を判断する上で、女性のDNAが関係あるとは思えない」

と反発している。

上申書では、女性のDNAを詳しく検証する必要性を強調している。

 

菅家受刑者とは別人とされたDNAについて、検察側は、栃木県警の捜査の過程で

捜査員の汗などが付着した可能性も残されているとして、捜査員らのDNA型との照合も検討している。

 

ただ、これまで裁判所関係者

証拠物の着衣に触れたこともあるといい、

新たに照合をした場合、

対象者は広範囲に及ぶ恐れもある。

(2009年5月15日付『下野新聞』3面)

 

足利事件

菅家さん釈放

信頼性揺らいだ旧式鑑定

 

DNA利用「法整備」を

(中略)

“白旗”は既に

(中略)

捜査員ら約70人の鑑定要望に対し、検察内部では

裁判官なども触っている可能性もある。これ以上の鑑定は意味はない」

との否定的な意見が強かったが、押し切られる形になった。

しかし結果はいずれも不一致だった。

(2009年6月5日付『下野新聞』5面)

 

(1991年12月22日付『下野新聞』1面)

 

 

[前回]
足利事件は本当に冤罪なのか? 6 被害者遺族たちの主張が支離滅裂
https://ameblo.jp/utsunomiya-gijuku/entry-12344332589.html