雇止めの基準について | 港区の社会保険労務士 内海正人の成功人材活用術!!

雇止めの基準について

今回は「雇止めの基準について」を解説します。

 

定年で60歳を迎え、再雇用で会社に残ることが「当たり前」の時代となってきました。

 

それに伴って、トラブルも増えています。

 

具体的には「雇止め」の件が問題となっています。

 

そして、雇止めについては「雇止めの基準」についてのご相談が多いです。

 

ただ、ここで誤解が多いのでお伝えしますが、雇止め自体は違法ではありません。

 

契約期間満了で更新をしない「雇止め」は、原則として適法・有効です。

 

しかし、契約自体が実質的に無期雇用者と変わらないような場合や契約更新に合理的な期待が生じているような場合では、雇止めが例外的に無効と認められます。

 

例えば、長年にわたって問題なく契約が更新されており、業務内容も他の無期契約労働者や正社員と変わらない場合、無期雇用への転換を避けるためだけに雇止めをするのは無効となる可能性が高いでしょう。

 

まず、会社が雇止めを行う場合、以下の手続きが必要と言われています。

 

〇契約締結時の明示事項

 

〇雇い止めの予告

 

〇雇い止めの理由明示

 

〇契約期間についての配慮

 

この項目では、上記の各項目について分かりやすく解説します。

 

更新の有無や判断基準を契約書に記載してない「契約締結時の明示事項」は、更新の有無や判断基準を雇用契約書に記載することです。

 

会社は労働者を雇い入れる際に、更新について労働者にきちんと説明しなければなりません。

 

例えば、更新有無の明示は以下の記載をしましょう。

 

〇自動的に更新する

 

〇更新する場合があり得る

 

〇契約の更新はしない 

 

そして、判断の基準も明記しましょう。以下が参考例となっております。

 

〇契約期間満了時の業務量により判断する

 

〇労働者の勤務成績、態度により判断する

 

〇労働者の能力により判断する

 

〇会社の経営状況により判断する

 

〇従事している業務の進捗状況により判断する

 

さらに、1年以上働いている場合は「30日前までに解雇予告が必要」となります。

 

また、1年以上継続雇用されている、または、3回以上更新されて働いている労働者にも『雇止めの予告(解雇予告)』が必要です。

 

つまり、雇止め予告は、契約を解除する30日前までに労働者に伝えなければなりません。

 

そして、雇用契約について雇止めの予告をした場合に、労働者から雇止め理由の証明書を請求された場合は、会社は遅滞なく証明書を交付する必要があります。

 

また、労働期間や更新に関する配慮は会社の義務となっております。

 

会社は、契約を1回以上更新し、かつ、1年を超えて継続して雇用している有期契約労働者との契約を更新しようとする場合は、契約の実態及び労働者の希望に応じて、契約期間を長くするよう努めなければなりません。

 

期間が終了したからといって、簡単に契約を打ち切ることはできません。

 

会社は、1年を超えるような契約については契約期間等に配慮する義務があるのです。