社内の噂話がネットに出たらどうすればいいのでしょうか?
今回は「社内の噂話がネットに出たらどうすればいいのでしょうか?」を解説します。
インフラの発達により、個人がいつでもどこでも情報を発信できる時代となりました。
とても便利になりましたが、その反面、私たちがいつ、どこで、情報にさらされるかもしれません。
便利な世の中ですが、情報に対するリスクが高くなったといえるのです。
特にSNSの発達で、個人が発信した情報が「簡単」にメディアに情報として取り上げられるケースよくあります。
そして、多くの会社では「業務上に関することを社員が勝手に情報発信しないように」と神経をとがらせています。
そのために「就業規則で情報発信のルールを作ってほしい」などのご要望が来ています。
しかし、何でも規制すればよいわけではありません。
内部告発者を守るための法律「公益通報者保護法」というものがあるのです。
この法律は内部告発の保護対象、要件等が法文化されています。
保護される通報の内容は以下となっております。
〇個人の生命または身体の保護
〇消費者の利益の擁護
〇環境の保全
〇公正な競争の確保
〇その他犯罪行為に関する通報
以上のような内容について告発した通報者に対し、解雇等を実施した場合は無効とされ、減額等の装置を実施した場合も無効となるのです。
労働基準法ももちろん、対象で、不払い残業等に関する通報も公益通報に該当することとなるのです。
よって、何等かの情報がリークされたら、この法律を意識しないといけないのです。
しかし、全てが保護されるわけではありません。これに関する裁判があります。
<田中千代学園事件 東京地裁 平成23年1月28日>
〇総務課長が週刊誌の記者の取材に応じ、学校内部の様子を話した(理事長が学園を乗っ取っている 、理事長が私服を肥やしている、職員は使い捨て)
〇学園は「外部に漏らすべき情報ではないものを漏らし、記事として全国に流布された」として、就業規則により懲戒解雇とした。
〇総務課長は懲戒解雇を不服として、裁判所に訴えた。
そして、裁判所は以下の判断を行ったのです。
〇就業規則を適用して懲戒解雇を行ったことは、何ら問題はない。
〇内部告発の内容はいずれも真実ではない、または、真実か分からない。
→公益通報者保護法の対象にならない
〇内部告発は正当なものではなく、違法である(懲戒解雇は妥当)。
以上により学園側が勝訴したのです。
この裁判では、告発した内容が「真実ではなかった」、「真実かどうかが分からなかった(=証拠を示せなかった)」ので、公益通報者保護法に該当しないとされています。
さらに、事実と異なる情報を流して、学園の信用を失墜させ、また、理事長等の名誉を傷つけたことは就業規則の懲戒解雇に該当すると判断されたのです。
噂話を真実のように書込みした場合は毅然とした対応を行いましょう。