人は育つもの?育てるもの? | 港区の社会保険労務士 内海正人の成功人材活用術!!

人は育つもの?育てるもの?

本日は「人は育つもの?育てるもの?」についてです。

これは子育ての話ではありません。組織の能力開発の話です。


その仕事、その業務を行うのにどんな能力が必要か?業務内容によってさまざまだと思いますが・・・。

「仕事ができる人、できない人」と言われます。それは個人の問題で、組織の問題ではないと言われていますが、新卒一括採用の習慣が浸透している日本の採用制度の場合、仕事のトレーニングをしていない学生がいきなり配属されます。そして、新人研修を実施し、配属先でOJTを行い、戦力化してきます。と言うことは、「会社が社員を育てないといけない」という事になります。


但し、少し前の時代の終身雇用の制度が根づいていた時代は、最初は「横並び」で出世して、その後、個人の頑張りや努力で差がついて、「課長になった」「昇進が遅くなった」となっています。

しかし、現在は転職が一般的となり、通年採用を行っている会社も多くなりました。ここで、今の職場の人間関係を断ち切るため、自分のキャリアアップを望むため、キャリアチェンジを図るためなど、様々な理由で転職する人が増えてきました。そして、「大企業でスキルのある社員が入社してくれた」と喜ぶ社長の話を聞いたことがありますが、その後、「その社員は成果が出せない・・・」という話もよく聞きます。雇用のミスマッチということです。求めていたものと持っていたものが異なっていたのです。

この状況を面接で確認することは至難の業です。限られた時間の中で、応募者の「全て」を把握することは無理と言ってもよいでしょう。だから、「一緒に働いてみないとわからない」という事になります。

また、視点を変えて考えてみると、業務の能力には「一般的能力」と「企業特殊能力」があると考えらえます。特に日本の会社、特に大企業では「企業特殊能力」が大きいと考えられます。整理すると、一般的能力は、どこの企業でも通用する能力、企業特殊能力は特定の企業のみ通用する能力という事になります。という事は中途採用者に「何を求めるのか?」という事が明確になれば、ミスマッチが少なくなるのです。

但し、一般的能力が高く、大きな会社からの転職者でも、転職先の会社のやり方、文化、企業風土などは伝えないとわからないでしょう。時間をかけて気づく場合もあるでしょうが、この部分は「育てる」考えを持ったほうが、今後の流れが早くなるでしょう。そして、基本を伝えれば、「人は育つもの」として、自分の考えで動くようになるのでしょう。これは、経験値、年齢等で動きは変わるでしょうが、ここをケアすることが会社の発展につながっていくでしょう。


これとは別ですが、新卒者が必要な就業力を構成する3要素を上げておきます。


〇 文章作成能力→要点のまとめ方、文章から真意を読み取る力、対象によって表現を変える力


〇 情報収集  →情報への正しい理解、情報源をどこに求めるか、仮説を立てられる能力


〇 情報分析  →情報源の評価、情報の優劣をつけられるか


参考にしてください。