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回想~2009年2月頃 その一 「2ヶ月ぶりの職場」

およそ二ヶ月の休職期間を終え、今再び職場の椅子に座っている。
来週には、正式な復職を迎えることができる予定だ。
思い起こせば長い道のりだった。あの夏の暑い盛り頃、
結婚して半年、自分自身も不安定な状態にあった。
上司、先輩からの連日に渡る叱咤激励のため、日に日に疲弊していき、そのために彼らと衝突を起こしてしまうことも度々あった。現場が求める能力、あるべき姿。埋めようと思う溝は埋まらず、かえって深まっていった。
数度の産業医との面談。意を決して通ったメンタルクリニック。
そして、業務量の削減が何ら効果を齎さぬ中、これでは埒が明かないと思い、自らの意思で休職を開始した。
当初は産業医面談でさえ、抵抗感があったのに。

何を手にとって前へ進めばよいかわからない。ただ真っ白な自分と空白の時間があった。
家でゆっくり過ごしていると少しずつ回りにあるものが浮かび上がってくる。

妻、家族、友人、近所の人々。

今までいかに素敵な人々に囲まれ、過ごしていたことにあらためて気づく。
マラソンをしたり、泳いだり、美術館へ行ったり、料理をつくったり。自然と心にしみる、小さな感動がある行動に呼ばれ、着実に体力を回復していった。

そして2月。暫くぶりのオフィスは全く同じ空気を滞留させていた。「もの」自体はユーザーの手に渡り、工場で音をたてて動き回るのに、ここには「におい」がない。その空気感すらない。魚の匂いがしないオフィス街から活気ある市場に電話しているような違和感。何らかの熱気を感じる方法や機会がないと、実感が湧かず集中できない。

黄色い葉に透き通る青い空。硬い岩盤から芽を出す雑草。
木枯らしが吹き付ける額から滴る汗。

自分が社会に対して貢献できることが自分の喜びにつながり、動機づけになる。

何ができる?

やはり得意なこと、興味があること、もしくはそれにつながる距離が比較的近いもの。

マラソンにはゴールがある。何か目標や具体的なゴールがあることは重要だ。

ネットワークの発達により、人々のつながりは時間と距離を越えた、新しい広がり、様々な人との連帯により、新しい何かがうまれる。目に見えないものはやがて可視化するだろう。

これはその間の心情と行動の記録である。