「無罪」を見抜く――裁判官・木谷明の生き方/岩波書店
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『「無実」を見抜く』という書名に惹かれて読み始めたが、目次をみてびっくり。囲碁棋士 木谷實…とあるではないか。
木谷實といえば 私のように囲碁の門外漢でも知っている著名な棋士で、しかも多くの棋士を育てたことで有名である。
この本の最初も木谷道場の話題が書かれていて 興味深い。
著者は東大法学部、兄は東大医学部教授で老化の権威という。木谷實という棋士は秀才のDNAをもっていたのだなと妙なところで感心した。
読み進むと著者が刑事を担当するなかで上司に薫陶を受けながら被告人の主張に耳を虚心に傾けながら真実を突き止めようとしていく姿勢に感銘を受ける。
裁判所という機構の組織としての動きやその中での裁判官たちと喜怒哀楽の様がビビッドに伝わってきて興味深い。
人間の組織だから他の一般企業と同様の状況がえがかれていて一気に読める。
囲碁に興味を持つ人にも(?)、裁判に関心をもつ人、組織のありように関心をもつひとにも薦めたい本である。