先日、ホブさんとフランソワーズ・アルディのそれぞれの好きな曲を挙げていた時、珍しく(?)意見が一致したのが、この“STAR”という曲でした。*7分33秒もの「大曲」です!
1977年にリリースされた同名のアルバム(日本盤のタイトルは『星空のフランソワーズ』)のトップに収録されています。
私はこのオリジナルアルバムではなく、1986年にリリースされたコンピュレーション・アルバム(CD)でこの曲を初めて聴いたのですが、その時、「あれっ? この曲ってジャニス・イアンが歌っているよなぁ...」と思って所有するJ.イアンのベスト盤に収録されている曲を聴き直してみたのです。
ところがF.アルディのCDにはF.アルディの名前しかクレジットされておらず、J.イアンのレコードにはJ.イアンの名前しかクレジットされていないという「矛盾」に突き当たったのです。
ずっとずっと後(インターネットの時代)になって、F.アルディのオリジナルアルバムに《F.Haldy、J.Ian》と二人の名前が併記されているのを見て、ジャニス・イアンの曲にF.アルディがフランス語の詞を書いて歌ったものであることが判明しました。
オリジナルはジャニス・イアンの1974年の6枚目のアルバム「ジャニスの私小説( Stars)」のタイトル曲です。
J.イアンの歌詞では“Stars, they come and go(スターは現れては消えてゆく...)”と歌われ、F.アルディは“Star,devenir star,c'est une belle histoire(スター、スターになる、それは美しい物語)”と歌われています。
興味深いのは、J.イアンの歌では〈Stars〉と複数形で表記されて、憧れのスターたちを歌っているのに対し、F.アルディは〈Star〉と単数で表記し、自らの置かれている状況を淡々と歌っています。そしてラストで“Star,devenir star,pantin dérisoire(スター、スターになる、おかしな人形)”とやや自嘲気味に呟いています。
どこか神秘的な曲調と日本盤のタイトル『星空のフランソワーズ』から「スター(星)」をイメージしてしまいますね。