人はしばしば恋に欺かれ、恋に傷つき、不幸にもなる。
それでも人に恋するのだ。
ミュッセ(Musset)〜 フランスの作家
そして男は未練たっぷりに歌う。
ジュリアン・クレールはフランス・ギャルを想ってこんな歌を...。
エティエンヌ・ロダ=ジルが作詞したこの曲“Souffrir par Toi n'est pas souffrir(邦題:君のための苦しみ)”の中で、「いつかあなたが戻りたいなら/言葉なしで、涙なしで、笑顔さえなしで/不注意にそして抑制せずに/過去をすべて未来に隠さずに」とF.ギャルに呼びかけている。
そしてヴェロニク・サンソンに去られたミシェル・ベルジェもまたこんな歌を...。
"Seras-tu là ?(邦題:明日も一緒に)"では、(後悔が訪れ/僕たちの周りで踊り出し/僕たちの気を狂わすことになっても/君はそこにいてくれるだろうか)と綴られている。
歌詞はdaniel-bさんのブログを引用させていただきました。
そんな一方で、自らの歌をミシェル・ベルジェに依頼したフランス・ギャルは、急速にM.ベルジェに惹かれてゆき、お互いになくてはならない存在であることに気づく。二人の愛は徐々に育まれ、やがて結婚、二人の子供に恵まれた。
ここまではホブさんのブログに詳しいので、ご参照ください。
そして二人の音楽活動は、ミシェル・ベルジェが作詞家のリュック・プラモンドン( Luc Plamondon)と作り上げたロック・オペラ『スターマニア』で大輪の花を咲かせることとなる。
この『スターマニア』は、1978年にスタジオ録音され、1979年に劇場公開される。
私は、1980年代に入ってから、東京の石丸電気本店でこのスタジオ録音盤のレコードに遭遇。クレジットにフランス・ギャルの名前を見つけ、内容かも判らないまま購入したと記憶しています(もっと後かなぁ...?)。
オリジナルは二枚組ですが、私が購入したのはLP一枚のダイジェスト盤だと思います(実家のレコード棚で冬眠中... )。
さて内容ですが、ここで再度、daniel-b教授にご登場いただきましょう(何と、20項目もあります!)。
ここでは個人的な思い出と共に、『スターマニア』出身の歌手たちに言及してみたいと思います。
まずは主役のジョニ・ロクフォール役を演じたダニエル・バラヴォワーヌ(Daniel Balavoine)。ちなみに〈daniel-bさん〉の名前の由来ともなっています。
左からF.ギャル、D.バラヴォワーヌ、M.ベルジェ
またまたdaniel-b教授にご登場いただきましょう(こちらは何と何と65項目もあります!)。
では『スターマニア』から、まずはD.バラヴォワーヌの“S.O.S d'un terrien en detresse”、続いてF.ギャルとのデュエット曲“Quand on n'a plus rien à perdre”をお聴きいただきましょう。
続いてはファビエンヌ・チボー(Fabienne Thibeault)。
私が最初に彼女の名前を知ったのは、クロード・ルルーシュ監督作品『夢追い』
(A NOUS DEUX)』(1979年)であった。この主題歌(アレンジはJean Musy)で、フランシス・レイのメロディと透明感溢れるF.チボーの歌声が実に印象的な曲でした。
まずは「夢置い」をどうぞ。
F.チボーの話題をもう一つ。
私とホブさんの愛聴盤『イヴ・デュテイユ・オランピア・ライヴ』(LP3枚組)のゲストとして招かれ、Y.デュテイユ作詞・作曲の“Je voudrais faire cette chanson”
をデュエット。
『スターマニア』から“ Complainte de la serveuse automate”をお聴きいただきましょう。
そしてディアーヌ・デュフレーヌ。彼女のアルバム(CD、LP)は1枚も持っていませんが、アンフィニが主催したコンサートに行きました。
唯一、人形を操りながら歌った場面だけは記憶に残っていますが、曲目は忘れてしまいました...。
『スターマニア』から“Les adieux du sex symbol”をどうぞ。
『スターマニア』の最後はやっぱりミシェル・ベルジェとフランス・ギャルの歌声で締めてもらいましょう。
M.ベルジェで“Paranoïa” 、そしてF.ギャルで“Monopolis”をお聴きください。
いかがでしょうか? 完全にアイドル歌手から脱皮したF.ギャルの表現者としての姿がここにあります。
最後は1979年の、M.ベルジェとF.ギャルの仲睦まじいデュエットをお聴きいただきましょう。
こんな幸せなデュエットを聴いていると、この後、次々と「悲しい出来事」が連続するなんて、誰が予見したでしょうか?
《フランス・ギャル物語⑥》(ホブ編)に続く...。