イタリア映画『アンナ』(1951年)を観る。

 

 きっかけは映画『ニュー・シネマ・パラダイス』の中のこのシーンである。

 

 

 火災で焼けてしまった〈パラダイス座〉が再建され、新しくオープンした記念に上映されたのがこの映画であった。ここで強烈な印象を残した女優がシルヴァーナ・マンガーノ(Silvana Mangano)である。近隣のレンタルショップを探してもなかなか見つからなかったので、意を決してDVDを購入。

 

 このダンスの場面ばかりが印象に残っているが、パラダイス座で初めてキスシーンが解禁となったあの場面も『アンナ』の一場面であった。

 

 そして新しい発見が一つ。

 『ニューシネマ〜』の中で、神父さんが祈りを捧げる合間に、トトが居眠りをしながら小さな鐘を鳴らす場面は、この『アンナ』の中にその「原型」(ヒント?)を見つけることができる。

 

 DVDは4:3のスタンダードサイズで、HD画質でもないのだが、これがどうしてどうして、なかなかの「名作」なのである。あのダンスシーンを観る限りでは、ちょっと陽気なイタリア映画と思っていたのだが、結構シリアスなドラマに仕立てられているのである。

 

 主演のシルヴァーナ・マンガーノは16歳の時にミス・ローマにも選ばれたという美貌の持ち主である。『ニューシネマ〜』の劇中に流れた映画の一覧がwikiにもあるのだが、このうち『にがい米』『アンナ』『ユリシーズ』『マンボ』の4本にS.マンガーノが出演していることから、ジュゼッペ ・トルナトーレ監督は相当なマンガーノ・ファンだったと想像できる。『ニューシネマ〜』のイタリア公開が1988年で、マンガーノが他界したのが1989年(59歳)ということだから、『ニューシネマ〜』を観てもらえたのかな...。

 

 

 

 ちなみにマンガーノはパゾリーニ監督の『アポロンの地獄』『テオレマ』、そしてヴィスコンティ監督の『ベニスに死す』『ルートヴィヒ』『家族の肖像』などにも出演している。

 

 ニキータ・ミハルコフ監督の『黒い瞳』(音楽フランシス・レイ!)が最後の出演作となった。この作品は劇場で観たのだが、久しぶりにじっくりと見直してみたいと思うのだが、如何せん、DVDが高すぎる(Blu-ray化が待たれる!)。

 

 

 

 

《まいにちフランス語》 〜 fraise  「いちご」

 

 本日はLa Grande Sophieの“ Sucrer Les Fraises”をお聴きいただきましょう。直訳は「イチゴに砂糖を振りかける」ですが、「手が震える、もうろくする」の意味もあるとか。この歌はどちらでしょうか...?