日本での公開からおよそ半年。群馬でもようやく公開された「バルバラ〜セーヌの黒いバラ」を観る。

 

 

 バルバラの生涯を忠実に追った、いわゆる伝記映画ではない。

 

 明確なストーリーを持つ、いわゆる「感動もの」でもない。

 

 バルバラの残した歌や映像のコラージュ、バルバラを演じるジャンヌ・バリバール、バルバラをこよなく愛する映画監督のマチュー・アマルリック(役者としても参加)、その三者が複雑に絡み合う。

 

 バルバラなのか、ジャンヌの演じるバルバラなのか、バルバラを演じるジャンヌなのか、監督のマチューなのか、役者としてのマチューなのか、そのあたりの描き方が複雑(監督の意図したところか?)過ぎて、見る側は面食らう。バルバラを全くご存知ない方には、この映画の評価は厳しいものとなるだろう...。

 

 私は幸いにも、東京でバルバラのステージを2度体験することができた。

 多くの歌手たちが手がけたトリビュートアルバムも、入手できる限り聴いている。

 ようやく22枚組も聴き始めた(まだ途中ですが...)。

 

 バルバラの名曲の数々が画面から流れる(バルバラ自身、そしてジャンヌの歌唱)だけで、私は幸せな気分に浸れる(「黒いワシ」の使い方にはちょっと不満が残る...)。 そして実際のバルバラの映像には食い入るように見入ってしまう。

 

 「黒いワシ」ではこの映像が使われていました。

 

 

 アコーディオン&キーボード奏者(恋人でもあった)ローラン・ロマネリは登場するが、ジェラール・ドパルデューとの関係は描かれていない。

 

 バルバラの存在は本国フランスではもはや「伝説」となっているが、日本では50歳以下でその名前や曲を知っている人は数パーセントにも満たないであろう。

 それでもこの映画が日本で公開されたことに拍手を送りたい。

 

 daniel-bさんによれば、日本でも7月にDVD(ダリダ同様、なぜかブルーレイがない!)として発売されるとのことである。

 

 7月発売まで、もうしばらくお待ちください...。

 

 

 

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