ああ、何てこった...!
ピエール・バルーが亡くなってしまうなんて...。
今年はピエール・バルーの主宰する《サラヴァ》が誕生50周年という記念すべき年であった。
10月には50周年記念コンサート(もちろんピエール・バルーも出演)があったのに、「また次回に...」と見送ってしまった。
そもそも私とシャンソンとの出会いは、今から40年ほど前に遡る。
映画「白い恋人たち」のサウンドトラック盤(LP)を購入した1976年1月2日。
そこには、オーケストラやオルガンの演奏に加えて、ピエール・バルーの歌声(ペギーのテーマ、滑降のテーマなど)、ニコル・クロワジールの歌声(キリーのテーマ)がたっぷり入っていた。当時、持っているレコードの枚数も少なく、文字どおり擦り切れるほど聴いた。
そして1979年、映画「男と女」と衝撃的な出会い。
スタントマン役で出演していたピエール・バルーの自由な生き方、その素朴な歌声に心奪われた。
1981年、高輪台の図書館での自主上映で、「白い恋人たち」を観る。
初めて彼の歌声を生で聴いたのは、1988年の3月。
六本木の〈ロマニシェッツ・カフェ〉でのミニライヴであった。宇崎竜童が音楽監督を務めた映画「海へ〜See you」の主題歌をピエール・バルーが歌ったことで企画された一夜限りのライヴであった。途中から宇崎竜童自身がトランペットを吹きながら登場するなど、とてもアットホームなライヴであった。
終演後、バーカウンターで寛ぐピエール・バルーに握手を求め、プログラムにサインをしてもらった。
時は流れて21世紀。
恵比寿ガーデンプレイスでのライヴに行くと、開演前のミニライブ(バルーの娘さんのマイア・バルーが所属する《ちんどんバンド》を撮影するバルーに遭遇。
開演直前なのに、いつもの笑顔で快く握手に応じてくれた。
ステージには高橋幸宏、カヒミ・カリィといったバルーを愛してやまないゲストも出演していた。
数年後、今度は渋谷にある《サラヴァ》でのライヴでのこと。
開場前に一番乗りで並んでいると、ふらっと背後から近づいて、またいつものとびっきりの笑顔で握手をしてくれた。
この時のゲストは大貫妙子であった。
「またいつでも会える」 そんな油断があった。
ああ、またバルーの優しい歌声を聴きたかった...。
最後はピエール・バルーを偲んで、ヒット曲のオンパレードで。
早くもトリヴュート映像がありました。
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