オッシュ    前回、HSPのことを調べていて気がついたことがある。

 

たしかにオッシュは「会社人間」だったし、家のことはオッカアに任せっきりで、子どもたちの学校での様子をつかめていなかったのは事実だ。

 

だけど、マッシュの小学校時代のイジメね。なんでマッシュが親に「SOS」を出せなかったのか、もっとさかのぼって考えないと分かんないと言ってたよね。

 

それで、思い出すのは小学校1年の時の、危うく命落とすところだった大手術のね、麻酔から覚めた第一声が、妹たちは大丈夫?って。オッカアがビックリしてた。

 

それはマッシュの「長男意識」の強さを表すエピソードとして語り草になってるけど、あれは、自分を抑えに抑える性格の表われだったんじゃないか、と。

 

なんでそうなったのか分かんなかったんだけど、HSPのことを調べてて、たしかにマッシュは小さい頃からものすごく感受性が鋭かったことを思い出したんだ。

 

たとえばね、まだ言葉もよく喋れない頃のことだったけど、オッシュとオッカアが冗談で「親の稼ぎがあるから生きていけるんだ」みたいなこと言ったら、マッシュが部屋の隅に行って縮こまっちゃったんだ。

 

まるで居候してる人間が「スミマセン」みたいな感じでね。オッカアはそれ見て大笑いしてたんだけど、オッシュのなかでは「エッ?! 」っていう感じが残ったんだ。

 

ひょっとして言葉が分かんなくても、その場の雰囲気――今でいう「空気」だな――で、何か自分が「余計者」みたいな感じがしたんじゃないかって。

 

 

マッシュ  そうだね。そんな小さな時のことは記憶にはないけど、たとえばお母さんがマッシュの下に3人も子ども抱えて大変なんだってことは感じてた。

 

とくにお母さんがイライラしてたり、台所でため息をついてる時なんか、自分は甘えちゃいけないんだって思ったのは覚えてる。

 

 

オッシュ  そうだろう。そういう敏感さがあったから、そんなに「長男意識」を植えつけた覚えはないんだけど、自分がどうふるまわなきゃならないか、子どもなりに考えたんじゃないかって思うんだ。

 

 

マッシュ  今、覚えてるのは、小学校の3-4年の頃だったと思うけど、マッシュが妹たちと弟を和室に集めて「きょうだい会議」っていうのを開いたの知ってる?

 

 

オッシュ  いや、今、初めて聞いた。何なの、それ?

 

 

マッシュ    お母さんを困らせないようにしようって、きょうだいで話し合いをしようとしたんだね。そんな感じだったから、ひとの感情はものすごく敏感だったことはたしかだね。

 

だから、学校に行っても、クラスの雰囲気とか、周りが自分のことをどう思ってるかなんてことも、すごく敏感だった。だから、自分の言いたいことも、言わないでいることが多かったね。

 

 

オッシュ    言いたいことも言わないってことは、イジメに遭って辛い、ということも言えなかったってことだよね。だから、そういうことの不自然さに、オッシュもオッカアも気がつかなかったってことなんだな。

 

 

マッシュ    だから「S0S」を出すっていうことが、どういうことかも分からないまんま来ちゃったんだね。

 

 

オッシュ    その意味で、ウツかも知れないって、オッシュに電話して来た時が、初めての「S0S」だったということなのかなぁ。

 

 

マッシュ    そうかも知れないね・・。