オッシュ     マッシュの小学校のときのイジメが、ひどいトラウマになっていたことは分かったんだけど、親としては、なんでその時に気がつかなかったんだって思っちゃうんだよね。

 

マッシュは、小学校2年のときに危うく死にかけるほどの病気したんだけど、そのときも、お腹が痛い、というふうに言ってたんだよね。

 

よく子どもが学校を休みたいときに、そう言うことが多いから、てっきりそれだと思ったのが大失敗だった。悔やんでも悔やみきれないけど。

 

それで最後は緊急入院することになって、一命を取り止めたんだけど、手術の麻酔から覚めた時の、最初の言葉が、妹たちは大丈夫?ってオッカアに訊いたんだよね。自分のことより妹たちのことを心配する言葉が出たっていうことで、オッカアがびっくりしてた。

 

でも、今から考えると、それって単に「妹思い」っていうだけじゃなくて、自分のことを脇に置いちゃう、もっと言えば、わがままを出せなかったっていうことだよね。

 

マッシュ    そうなんだよね。

 

長男だから、最初はめいっぱい親の愛情が注がれるけど、3歳になって妹やその後で弟が生まれて、「お兄ちゃんだから」っていう意識で自分を抑えるようになってた。

 

それが入院している間は、親の愛情を独占できて、退院したら弟が3歳の手のかかる時期になって、また親の関心がそっちに行っちゃった。

 

という感じで、気持ち的に安定した感じで育ってこなかった気がする。だから、自由に思ってること、言えなくなっちゃってた感じで、イジメのことも、こころのなかにしまっちゃってたね。

 

オッシュ    しかしなぁ、オッシュもオッカァも、そんなに「お兄ちゃんだから」って、マッシュに我慢させた感じはないんだけどねぇ。

 

でも、そうなるには、そうなる理由があったに違いないんで、それはまた別の機会に考えるとして、今、いちばん大事なのは、二度と再発しない、再発させない、っていうことだよね。

 

その点は、どうなんだろう。オッシュのほうでは、こうやってほぼ毎日電話でマッシュと話してるから、状態はいつもつかめている感じになってるけど。

 

マッシュ    うん、症状に関しては、今の主治医の先生と相談していけば、間違いないって思うしね。何しろ、「治らなかったウツはない」って断言してくれてるし。そこまで言われれば、もう信じるしかないし。

 

オッシュ    そうだね、入院の時に会ってオッシュも知ってるし、通院になってからも、電話でその都度マッュから聞いてるから、オッシュも治療にはまったく問題ないって思ってる。

 

マッシュ    それに今、話してて思い出したんだけど、今回再発する前に、学校のことで煮詰まってた時に、その時の主治医の先生に言って、薬をもらって来たんだよね。

 

オッシュ    えっ !?  なんだ、そうだったのか! 

 

もう服薬も要らないってことになって、通院もしなくてよくなってたわけだよね。でも、ヤバいな、と思った時には、医者にヘルプ、出せるようになってたんだ!

 

マッシュ    そう、そう。お医者さんに何を頼ればいいかってことは、再発前には、完全に飲み込んでいたんだよね。

 

だから、次に、何かあれば、今の主治医の先生にどう頼ればいいかっていうことについては、何の心配もしてないね。

 

オッシュ    あぁ、それはデカいわ。そういう意味では、もしもの時のセーフティ・ネットは、いまはもう完全だな。

 

マッシュ    そうだね、そう思う。

 

オッシュ    そうかぁ、やっとそこまで来たかぁ。長かったなぁ。今の先生にたどり着くまで、4人の先生にお世話になって、5人目でやっと盤石の構えになったんだなぁ。

 

マッシュ    ほんとうに、長かったねぇ。10年以上かかったんだよね。