石巻人・東京で叫ぶ -26ページ目

石巻人・東京で叫ぶ

東日本大震災で実家が被災。俺よりつらいひとは大勢いる。しかし、やはりつらい。このブログは独身40男を襲った、東日本大震災の小さな小さな爪痕を記したものです。

2011年夏


後輩の見舞いに行った。


見た目にももう、癌の末期患者であることがわかる。
もともとやせてた体がさらに細く、頬はこけていた、しかしそれでも目だけは生気に満ちていた。


ひとことふたこと、会話をかわす。

薬がきいているので、時々ふっと意識が消える。

しゃべる言葉も、よく聞き取れない。


10分程度いた。

帰る時、「じゃ帰るよ」と言った。

すると、奴はハッキリと言った。

「ありがとうございました」
と。


それだけは、しっかりと俺の耳に、いや心に届いた。






翌日朝


社長から電話。


早朝、逝ってしまったと…。



俺らを待ってたのか…?


不思議と涙は出なかった。実感がわかないだけだろうと、その時は思った。


それより、「間に合った」という意識のほうが強かった。
もし昨日行けなければ、最期まで会えなかったわけだから。


余命二週間と言われてたはずが、たった二日で…。


命ってなんだ?
こんなはかないもの…。

震災で知り合いいっぱい亡くしてるのに、このうえまだ俺から奪うか!神よ!