脳は考えたことを省略してアウトプットするという習慣があるそうです。
自分はわかっていても、言葉で表現すると思っていることの半分も表現できない。
「この洗濯機は、〇〇社の新製品でして、音も静かで、汚れもよく落ちて、しかも省エネなので、このお値段ではとってもお得です。」
これだとお客さまは、
「はぁ、それで???」 となります。
でも、説明するほうは、 なぜ音が静かなのか、どれぐらい静かなのか、なぜ汚れがよく落ちるのか、どれぐらいよく落ちるのか、どうして省エネなのか、どれぐらい省エネなのか、 そして、以前の製品と何がどう違うのか、静かであればどんなメリットがあるのか、どのような汚れまで落とせるのか、電気や水道料金が具体的に何円節約できるのか・・・
すべて頭の中に入っているはずです。
プロの販売員なら当然でしょう。
しかし、それを言葉にすると、このように、とても短文になってしまうので伝わらないのです。
頭の中では自分なりにその商品の特長についてロジカルに整理されているにもかかわらず、誰かにそれを伝えようとしたときにロジカルに表現できないのです。
知識はあって理解もできているが、伝えられない、伝わらない、ということです。
伝わらなければ、買っていただけません。
「伝わる」ということは、相手の頭の中に、この商品がいったいどのようなものなのか、ありありとイメージさせることなのです。
そのためには、まず、その商品のキーワードを書き出し、ひとつひとつについて「深堀り」してみることです。
例えば、
「音が静か」というキーワードなら、
①どれくらい静かなのか、具体的に表現する
洗っているときの音は、わずか28dB。これはささやき声(30dB)や図書館(40dB)よりも静か
②なぜ静かなのか、その理由
これまでの製品と違い、騒音の原因となるギアやベルトがない、ダイレクトドライブモーターを採用
③静かなら何がよいのか
音が気にならないので夜中も洗濯ができる、そのため、朝は干すだけで時間節約。さらに夜間料金で電気代も安い。
これらをつなげて表現すると、「音が静か」という特徴について、相手にありありとイメージさせることができます。
これに、今までの事例やお客様の声、メーカーの開発理念などがプラスされればなお一層、お客さまの頭の中がイメージで膨らむでしょう。
つまり、 ”特徴”が”特長”になります。
よくわかっているつもりの自店の商品も、まだまだ知らない魅力を隠し持っているのかもしれません。

