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ヒサのブログ

頑張る小さな会社、小さなお店
に贈る応援メッセージ

工場など製造業の現場において、その現場改善や業務改善について多くの手法があみ出され、実際に活用されています。

その多くが、効率性、生産性の向上をめざすものです。

小売業の現場においても活用できるものがたくさんあります。

例えば、”ECRSの原則

これは、 「業務改善の4原則」と言われ、

(1)その作業をなくせないか (Eliminate:排除)
(2)
その作業を他の作業と統合できないか (Combine:結合)
(3)
作業の順序の変更はできないか (Rearrange:置換)
(4)
その作業をもっとシンプルにできないか (Simplify:簡素化)

のそれぞれの頭文字を優先度の高い順に並べたものです。

もちろん、品出しや棚卸し、検品作業などといった店頭でのあらゆる定型作業にそのまま活用できます。

しかし、この原則は、単に作業の見直しに留まらない、

これまでの価値観やものの捉え方、考え方といったいわゆるパラダイムをリセットするきっかけを与えてくれるもの

だと思います。

販売方法や品揃え、顧客、商圏など、今まで当然と思い込んでいたパラダイムが「ほんとうにそうなのか?」

自店を取り巻く環境はどう変化しているのか?

自店は環境の変化に対応できているのか?

売上が芳しくないとき、ECRSを思い出してリセットしてみると新しいやり方が見えてくるかもしれません。




前に、家電量販店は店舗自体がコモデティ化してしまったと言いました。


なぜか?


それは、未だに、我が店は「家電量販店」だと、なんの疑いもなく思っているからなんです。


少なくとも、現場の人たちはほとんどそうではないでしょうか。


あなたの店は何を売っているのですか?と尋ねると、


おそらく皆、口を揃えて 「家電製品です。」 と言うでしょう。


「当店は家電製品を販売することを通して、お客さまに、日常生活の課題解決をお手伝いし、快適で便利な生活を提案するのだ」


と、本社のほんのひと握りの人間が思っていても仕方ないのです。


現場で直接お客さまに触れ合う人がそう思っていないとまったく意味がありません。


家電量販店ではなく、課題解決提案店。


全店のすみずみまでそのコンセプトが浸透させること、それが、本社と店長の役割です。


これは、どんな店でも、小売業以外でも同じです。


自社は、我が店はいったい何を売っているのか?


「メガネです」 「婦人靴です」 「本です」・・・・

「ネジを作って売ってます」 「整体をしています」 「荷物を運んでいます」・・・


それは、見ればわかります。


”それで?”と、さらに、突っ込まれ、それに答えられる店や企業だけが生き残ります。


「コモデティ」という大きな波は、いつでも我が店を飲み込もうと大きな口をあけて待ち構えています。

























家電量販店が苦戦しているという記事を見ました。


長年、家電量販店で頑張っていた者としては気になります。


苦戦の理由に、

・大手通販との価格競争の激化

・消費者の購買力の低下

などが挙げられていました。


苦戦の原因は、外部環境のせいだということなんです。


どうしても、まずいことは他に原因を求めてしまいがちなのですが、そうしている限り、根本的な解決にはたどりつきません。


ほんとうの原因は、そのような外部環境の変化に対し対応できていないこと にあるのです。




家電量販店のビジネスモデルは何年も前とあまり変化していないような気がします。


毎週週末に入るたくさんの大きなチラシ、商品こそ変わっていますが、そのコンセプトそのものには変化がないようです。


要するに「価格」の安さを競うこと、がコンセプトとなってしまっています。


紙面に特徴がないので、どれがどの店のチラシかほとんど見分けがつきません。


よく、年配の方が、ライバル店のチラシを持ってきて「これ、どこにありますか?」と聞かれます。

店に入ってきても、まだ、そのチラシの店ではないというのが気づかないのです。

店員に「これは、当店のチラシではありません」と言われるまでわからないのです。


店のつくり、品揃え、店員のユニフォーム・・・

あらゆるものが似たりよったり、

つまり、店舗そのものが「コモデティ化」 してしまっているのです。


コスト構造が大きく異なる大手通販と価格競争をしても、勝てるはずもなく、消費者の購買力を高めるといっても店にできることはそれこそ安く売ることぐらいです。


そろそろ気づかないと、家電量販店というモデルそのものがなくなってしまうような気がします。


なくなるということは、社会から必要とされなくなるのではないか?ということです。


サトーカメラの佐藤専務は、

「商売の基本は文化を啓蒙していくこと」

であると言われました。


文化とは、人が作り上げた成果のことです。


規模の大小にかかわらずなにも生み出さず、作り出さない店舗は、遅かれ早かれ淘汰されていきます。


社会から必要とされ続けるためには、家電量販店ならではの文化を産み出していくこと以外ないのかもしれません。