ヒサのブログ -20ページ目

ヒサのブログ

頑張る小さな会社、小さなお店
に贈る応援メッセージ

セミナーやコンサルティングの際、よくご支援先から成功事例を聞かせてほしいと言われます。


また、企業家の勉強会などに参加しても、各自の成功事例を発表するというケースが多いようです。


先日のある調査会社の調べでも小売店がメーカーから得たい情報でもっとも多いのは、

「(売り方など)他店での成功事例」であるという結果が出ています。


その他のメーカーからの情報は「一部しか見ていない」「まったく見ていない」とのことだそうです。


他の成功事例を聞いてわが社・わが店でも早速やってみたい気持ちはよくわかります。


でも注意したいのは、成功事例の多くは、

以前やってうまくいったことであり、

自社とは違うほかの会社がやってうまくいったこと

なのです。


あくまでもそれは、過去の情報であり、

組織も文化も、業種も、業態も、規模も、売上高も違う会社の事例であるということです。


経営のヒントにする、

厳しい環境の中、頑張った企業の話を聞いて明るい気持ちになる、

あるいは、成功事例の数や内容を持ってして、コンサルタントを選ぶときの目安にする、

などというのならぜんぜん問題ありませんが、

はてなマークと思うのが、

「さっそく同じことを明日わが社でもやってみます」

という経営者がいることです。


他の会社のマネをしても必ず失敗します。


なぜなら、そこに魂がこもっていないからです。


前回、ダイエーのコウズが失敗して、アメリカのコストコが成功しているということを書きました。


ホールセールクラブというビジネスモデルをオリジナルとして育てたのがコストコでありウォルマートであるのに対し、その成功事例をそっくり日本に持ち込み、マネをして失敗したのがコウズです。


成功事例を持ち帰って、ただそっくりそのまま真似るのではなく、

自社の現状や取り巻く環境に適応させ、

加工し、

魂を込め、

自社のオリジナルへと進化させることが成功事例の有効活用と言えます。

  

                 

             右下矢印小さな店の経営ナビゲーター
              UTマネジメント・オフィス


                     

 


コストコの会員です。


コストコは言わずとしれたアメリカの会員制ホールセールクラブ(会員制の倉庫型店舗)の代表格です。


販売士養成講座などでホールセールクラブを解説するとき必ずその事例の筆頭にこのコストコをひっぱり出します。


でも、残念ながら、コストコの店舗は日本には関東、関西中心に10店舗あまりしかなく、訪れたことのない人にはイメージしにくいようです。


日本企業でも以前、ダイエーがコウズという名の会員制ホールセールクラブを何店か展開していましたが、うまくいかず撤退してしまいました。


なぜコウズが失敗したのか。


理由の1つは日本の取引形態や高い地価や家賃がネックとなり欧米程の低価格を実現できなかった事だと言われています。

さらに業態が日本の消費者のニーズにあわなかった事にあるとも言われています。


しかしながら、コストコの盛況を見ているとどうも違うような気がします。


この業態には、アメリカという国の文化や風土の中で生まれ、培われた外からは見えない企業理念というようなものが綿々と貫かれているように思えます。


コストコはそのコンセプトを貫きながら、進出した国の文化や風土を尊重した品ぞろえや店舗づくりをしてきたことが成功の要因でないかという気がします。


会員制ホールセールクラブという業態が日本の消費者のニーズに合わないのではなく、アメリカで見てきたやり方そのままを、そこに貫かれた本来の理念や思想も何もわからずにやったモノマネが消費者に見透かされてしまったというだけのことです。


1999年に日本にコストコの第1号ができて10年以上、地道に着々と日本の市場に根差しつつあります。


その間に、いくつの外資系の小売業が日本に出店し、消えていったでしょうか。


今回はコストコのPRみたいになりましたが、昨日、久々にコストコに行ってそんな感想を持ちました。


もうちょっとフードコートが広かったらなぁ・・・


             右下矢印小さな店の経営ナビゲーター
              UTマネジメント・オフィス


                 


                      















パナソニックが9月に発売した「目もとエステ」が当初予想の3倍を超す売れ行きだそうです。


女性だけでなく、男性にも好評でよく売れています。


開発したのは同社の山田さんという女性で、やはり女性の視点でターゲットも最初は女性を想定していたとのこと。


ふたを開ければ購入客の3割が男性という店舗もあったそうで、カラーもピンクに加えシルバー系をプラス。


パナソニックのヘルスケア分野の商品開発は他社よりもかなり進んでいて、どんどん目新しい商品が生まれています。


しかも、これまでにない、

「あっ、こんなのがあったんだ!!」  「そうそう、こんなのが欲しかったの!!

というラインナップです。


開発者の山田さん曰く、

「かゆいところに手が届くのではなく、『あっ、そこがかゆかったんだ』と気づいてもらえるような仕事がしたい」

(10/19日経MJ)


これはわかりやすい名言だと思います。


お客さん自身も自分の欲しいものがわかっていないんですね。

自分の背中のどこがかゆいのかわからなくて、ただなんとなく、ムズムズしてるんですね。


「ここがかゆいんじゃないですか?」


それに気づかせてあげることで感動が生まれます。

そして、感動した人はその店や商品の虜になります。


繁盛の種は「気づいていないニーズ」に気づかせてあげることです。


            右下矢印   小さな店の経営ナビゲーター
                 UTマネジメント・オフィス